クラシック音楽ファンは夏に「青春18きっぷ」で木曽音楽祭に行こう! 3つの旅プラン(東京駅発)

青春18きっぷ

全国のJR普通列車1日乗り放題5回分で1セットのチケット。途中下車も自由。1人で使ってもOK(例:1人×5日)。数人で使ってもOK(例:5人×1日)。

年に3回(春・夏・冬)発売される。指定された期間に利用できる。

2018年8月現在、1セット11,850円(つまり、1人あたり2,370円で全国JR線1日乗り放題)。

f:id:music-szk:20180831165154j:plain

 

時刻表を調べるならジョルダンの青春18きっぷ専用検索が便利。

www.jorudan.co.jp

 

東京近辺のクラシック音楽ファンは、青春18きっぷで長野県の木曽音楽祭、セイジ・オザワ松本フェスティバル、群馬県の草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルなどを楽しめる。長野県の音楽祭は特にオススメ。なぜかというと、山梨県で途中下車して、ワインや「ほうとう」を楽しめるから。

青春18きっぷは若者専用のチケットではない。

つまり、青春時代なんてとっくに過ぎ去ったというアナタもワタシも利用できる。 

 

木曽音楽祭

長野県の木曽町で毎年8月下旬の金曜から日曜に開催されている室内楽の音楽祭。40年以上も続く歴史あるイベント。自然豊かで涼しい地域(今年は暑かったけど)。JR木曽福島駅から音楽祭シャトルバス(片道200円)に乗って会場のホールに行く。コンサートは3日間+前夜祭。

開演時間は次の通り:

金曜 19時

土曜 17時

日曜 15時

f:id:music-szk:20180831165316j:plain

 

なぜ旅プランを?

木曽は田舎で電車の本数もバスの本数も少ない。特に青春18きっぷ利用者にとっては、有料特急が使えないので乗れる電車はますます少ない。交通機関で旅する人にとっては不便な土地。

そこで、具体的にどの程度の観光が可能か、大まかな目安として、わたしの過去の旅プラン(東京駅発)を紹介したい。ただし、時刻などは各自で十分調べて計画を立てること。

 

事前にやること(オプション)

オプションなので、気が進まなかったらやらなくていい。

 

  • 島崎藤村「夜明け前」(全4巻)を読む

来年の木曽音楽祭に行くなら、いまから「夜明け前」を読もう。十分間に合う。歴史好きならぜひ。

舞台は江戸時代末期から明治初期の木曽。中山道(なかせんどう)は海沿いの東海道より険しい山の中の道。主に極秘に江戸と京を往復する人たちは、東海道を避けて中山道を歩いた。だから、当時の木曽の人々は時代の変化を敏感に感じながら暮らしていた。おもしろいじゃないか!

妻籠(つまご)馬籠(まごめ)奈良井など、江戸時代の旅人が立ち寄った宿場町が現在は観光スポットになっている。江戸の旅人気分で中山道を散策するにしても、旧宿場町を訪問するにしても、「夜明け前」を読んでから行くと気分も一味違うはず。

 

  • 鑑賞する曲の予習

珍しい曲を聴く滅多にない機会。予習なしで3日間も聴いたら、きっとアタマの中でいろんな曲が混じってしまう。それでもいいなら、それでいい。それは勿体無いと思うなら、ぜひ事前予習を。

 

  • 旅情報を調べてスケジュールを確定

交通機関の本数が少ないので、行き当たりバッタリのテキトーな旅をしていると、コンサートに間に合わないなんてことも有り得る。事前に時刻表を調べて旅程を決めてしまった方が良いと思う。パズルのように上手に予定を組んでみよう。

 

f:id:music-szk:20180831165540j:plain

f:id:music-szk:20180831165600j:plain

f:id:music-szk:20180831165615j:plain

 

旅プラン1

3泊4日 コンサート3

2014年実施

f:id:music-szk:20180831172816j:plain

 

DAY 1

東京駅 → 奈良井駅 (青春18)

中山道の宿場町、奈良井宿の散策。駅のすぐ近くなのでアクセスしやすい。

 

奈良井駅→木曽福島駅 (青春18)

駅近くの宿にチェックイン。駅からシャトルバスで19時のコンサートへ。

 

DAY 2

木曽福島駅(9時ごろ?) → 南木曽(なぎそ)駅

南木曽駅 バス停 → 馬籠峠 バス停

中山道を1時間歩いて馬籠宿

www.kiso-magome.com

 

馬籠宿 バス停 → 南木曽駅 バス停

南木曽駅 → 木曽福島駅

宿の送迎車でコンサートホール近くの宿に

17時のコンサートへ

ホールは徒歩圏だが宿から車でホールへ送迎があった。

 

DAY 3

木曽福島駅 バス停 → 御嶽山(おんたけさん)ロープウェイ バス停

バスで1時間ほど。

www.ontakerope.co.jp

 

御嶽山ロープウェイ バス停 → 木曽福島駅 バス停

音楽祭シャトルバスで15時のコンサートへ

音楽祭シャトルバスで駅近くの商店街のホテルに

 

DAY 4

木曽福島駅 → 勝沼ぶどう郷駅 (青春18)

ぶどうの丘でワイン試飲、近くの店で山梨名物「ほうとう」

ぶどうの丘は駅から歩いて15分ぐらい。遠くはないが、夏の炎天下に坂道を歩くのはツライ。

budounooka.com

 

勝沼ぶどう郷駅 → 東京駅 (青春18)

 

 

旅プラン2

1泊2日 コンサート1

2016年実施

f:id:music-szk:20180831165857j:plain

 

DAY 1

東京駅 → 上諏訪駅 (青春18)

諏訪湖の遊覧船に乗る。雨で視界は残念な感じ。駅の近くで食べた野沢菜らーめんが美味しかった。

 

上諏訪駅 → 塩尻駅

乗り換え待ち時間に夜用に地産ワインのミニボトルを購入。

塩尻駅 → 木曽福島駅 (青春18)

音楽祭シャトルバスで17時のコンサートへ

 

音楽祭シャトルバスで木曽福島駅へ

木曽福島駅 → 上諏訪駅 (有料特急

上諏訪駅近くのホテルに

木曽ではなく、上諏訪に宿泊。スケジュールの都合上、青春18きっぷが使えない有料特急を利用。特急券のみでなく、乗車券も新たに購入しなければいけない。

 

DAY 2

上諏訪駅 → 茅野駅 (青春18)

茅野駅 バス停 → 北八ヶ岳ロープウェイ バス停

気軽に山に登れるロープウェイが好き。ラクに楽しめる。山の上は涼しい。 

北八ヶ岳ロープウェイ|蓼科、八ヶ岳の観光スポット・トレッキング・バリアフリー対応

 

北八ヶ岳ロープウェイ バス停 → 茅野駅 バス停

茅野駅 → 石和(いさわ)温泉駅 (青春18)

駅近くで山梨名物「ほうとう」

駅で試飲用ワイン・サーバーなるもの発見

www.isawa-kankou.org

 

石和温泉駅 → 東京駅

 

 

旅プラン3

2泊3日 コンサート1

2018年実施

f:id:music-szk:20180831170124j:plain

 

DAY 1

東京駅6:00 → 木曽福島駅12:00(青春18)

木曽福島駅 バス停 → 木曽馬の里入り口 バス停

駅からバス停まで40分程度。バス停から木曽馬の里まで徒歩15分。

kisoumanosato.or.jp

 

木曽馬の里入り口 バス停 → 越 バス停

開田高原を1時間弱歩いて宿へ

 

DAY 2

宿から45分ぐらい下り坂を下ってバス停へ。

越 バス停 → 開田支所 バス停 → 上町(かんまち)バス停

駅の手前の商店街で下車。待ち合わせていた友達とランチ。

音楽祭と同じ時期に、この商店街(上町、本町)で「木曽の手仕事市」が開催されている。全国から集まった手作りアーティストが出店する。今回もまた、じっくり見る時間はなかった。。。

kiso-teshigotoichi.com

商店街エリアの宿にチェックイン。音楽祭シャトルバスで15時のコンサートに。

 

DAY 3

宿から15分歩いて駅へ。

木曽福島駅 → 小淵沢駅(青春18)

小淵沢の古い民家を利用したカフェでランチ

 

小淵沢駅 → 塩崎駅 (青春18)

シャトレーゼ ベルフォーレ ワイナリー

全国チェーンのケーキ屋のワイナリー。見学は無料。ワイン試飲やチーズケーキ試食もあり。駅から近いけど、急な坂道を猛暑の中歩くのはツライ。これ以上、持ち運ぶ余裕はなかったのでお土産は控え目に。

 

www.belle-foret.co.jp

 

木曽音楽祭の今後が心配・・・

初めて行った2014年、最終日はほぼ満席だったはず。3回目の訪問だった今年2018年の最終日は7~8割程度。確実に客は減っている。来ているお客さんも、音大生向けのアカデミーが同時開催されている草津温泉、松本、霧島の音楽祭と比べると明らかに年齢層が高い。このまま自然に客数が減ったら音楽祭を終了するつもりなのだろうか・・・ ちょっと悲しい。

 

今後、長く音楽祭を続けていくために、若い世代の皆さんにも来ていただくために、余計なお世話かもしれないが、以下を提案したい。

  • 音楽祭専用ウェブサイトの開設
  • 「ぴあ」「イープラス」でチケット販売
  • 休憩時間に地産アルコールをグラスで販売
  • 最終日の終演後の交流パーティー(?)の宣伝

   このパーティーについては、パンフレットや
   ネットには一切情報が載っていない、ホールの
   ロビーで参加申込みできるらしいが、どんな
   イベントなのかよく分からない

  • 宿からホールへの送迎の有無(ネット上で公開)
  • (これは観光全般に関することだけど)Googleマップにバス停の位置と時刻表を反映

 

20代、30代の我々は、ネットで探せない情報は「存在しないもの」として扱うクセが付いてしまっている。わざわざ電話やメールで問い合わせるのは面倒。旅の候補地は全国各地にあるので、別のプランを立ててしまうだろう。

 

オーストリアに、わたしが2回行ったシューベルティアーデという音楽祭がある。木曽は、シューベルティアーデが開催されているブレゲンツの森と似ているところがある。山があって川があって音楽祭がある。(似ていると思って風景写真を見比べると、やはり違うのだが・・・笑)

 

ブレゲンツの森は日本やアジアの観光客にはほとんど知られていない地域だが、ヨーロッパ各地からバカンス客が訪れる山に囲まれた森。(いや、ヨーロッパ各地というより、主にドイツ語圏各地から・・・かな。)

 

ブレゲンツの森ではバスが1時間に1本程度ある。バスはホテルの前に停まる。ホテルの名前がバス停の名前になっているので、迷うことはない。バス車内の電子パネルには3つ先のバス停の名前まで表示されているのでドイツ語が分からなくても安心して乗れる。(ちなみに木曽のバスは音声案内のみ。)シューベルティアーデ音楽祭のシャトルバスは3台あり、ブレゲンツの森の広いエリアから客を運ぶ。(木曽で例えると、開田高原からも音楽祭シャトルバスがあるようなイメージ)

 

3日間+前夜祭の木曽音楽祭は小規模な室内楽音楽祭だから、数週間単位で開催される大規模な室内楽音楽祭シューベルティアーデの真似をする必要はまったくないのだが、参考に出来る部分もあるのではと思う。

 

今年(2018年)の演奏

公演データ

2018年8月26日(日)15:00

木曽文化公園文化ホール

シュポア:弦楽八重奏曲 第1番 ニ短調 op. 65

   ヴァイオリン:久保陽子 白井圭
          漆原啓子 水谷晃

   ヴィオラ:大島亮 村上淳一郎

   チェロ:伝田正則 山崎伸子

ミヨー:フルート、オーボエ、クラリネットとピアノのためのソナタop. 47

   フルート:佐久間由美子  オーボエ:古部賢一

   クラリネット:金子平   ピアノ:津田裕也

ドヴォルザーク:セレナード ニ短調 op.44

   オーボエ:古部賢一 浅原由香

   クラリネット:山本正治 金子平

   ファゴット:岡本正之 河村幹子

   ホルン:日橋辰朗 日高剛 山本眞

   チェロ:辻本玲

   コントラバス:星秀樹

 

1曲目は、演奏後の演奏者みんなニヤニヤしていたように見えたが、何か内緒の面白話でもあったのだろうか。楽しそうな雰囲気はいいのだが・・・

作曲家シュポアの名前を見るのは、わたしにとっては、ほとんど木曽音楽祭だけ。多作だったのに、現代においてあまり演奏されない作曲家。この弦楽八重奏曲(四重奏×2)は、アマゾンPrimeに入っていた音源で予習したのだが、実はちょっと気に入った。分かりやすいシンプルな曲なのだが、重く暗い第1楽章と軽めの短調の第2楽章が好き。

そして2曲目。個人的には、葬送行進曲のように始まるニ短調のシュポアとドヴォルザークの間に、突如、このミヨーの不思議な楽しい曲が入っているところが少々気に入っている。

前後2曲の重々しい深刻さに負けずにミヨーも真面目に深刻さを出そうとしているのに、すっごく真剣なのに、どこか抜けている!?プププと笑ってしまう。みんなバラバラに吹いていたのに、突然いっしょに気合入れて(?)ユニゾンするところとか、真剣ぶりが好き。ミヨーを演奏した管楽器3名はノリノリで気持ち良さそう。(特にオーボエの古部さんが気合いナンバーワンに見えた。)

3曲目はあっという間に終わって、アンコールも無し。少し呆気ない。最終日、音楽祭の閉幕がこの曲で良かったのだろうか?例年だとピアニストの野島稔さんがソロを弾くピアノ協奏曲が演奏されていたと思う。今年は野島さんの名前は出演者リストに入っていない。

 

木曽音楽祭はいつまで続くのだろうか。やはり少し心配だ。

いつまで続くか分からないので、皆さんもぜひ来年は木曽音楽祭へ!

 

Copyright © Ongakuzukino Suzuki 2018. All rights reserved.