オススメのクラシック音楽コンサート東京 トッパンホール 2019年1月 (+おまけ情報 2018年10月)

トッパンホールは都心に位置するのに、どの駅からも徒歩10分はかかるという、微妙に不便なロケーションなのです。周囲に飲食店はほとんどありません。オフィスビルやマンションが建ち並ぶエリアです。

わたしはいつも飯田橋駅で降りて神楽坂の入り口あたりで腹ごしらえするか、コンビニでおにぎりを買ってからホールに向かいます。

トッパンホール Toppan Hall

http://www.toppanhall.com

客席は408席です。音響は素晴らしいけど、小ホールなのに舞台がやや広すぎるような感覚があったり、後方席だと舞台が遠いと思うことがあります。演奏が始まると、上手い演奏に引き込まれてそれほど気にならないのですけどね。

 

トッパンホールで鑑賞したコンサートの中で印象に残っているのは2016年のトッパンホール15周年フェスティバルで聴いた2つの公演です。

最初から最後までクライマックスのように派手にシューベルトのピアノ三重奏曲を演奏したヴァイオリニストのクリスティアン・テツラフは、絶対にわたしの好みの奏者ではないと思ったのに、そのテツラフが数日後に演奏したベルクの六重奏曲では最初のフレーズだけで一瞬でクラっと眩暈がするほど惹かれてしまったという、伝説的な(?)ことがありました。たぶんわたしは彼が弾く現代曲が好きなのだと思います。

初日のシューベルトはきっと仲良しメンバー3人のカラーと方向性が「情熱ほとばしる系」だったのです。ベルクの後に演奏したもう1つのシューベルトの三重奏曲では、テツラフも洗練された演奏でしたから。演奏メンバーに合わせて容易にコロっと演奏を変化させる柔軟な演奏者でもあるのでしょう。

 

では、オススメのコンサート情報を紹介しましょう。

 

イアン・ボストリッジ Ian Bostridge

http://www.toppanhall.com/dll/201901221900.pdf

2019年1月22日(火)19時
Tuesday, January 22, 2019

チケットを買う(チケットぴあ)Ticket Pia icon10月24日発売

シューマン Schumann

  子供のための歌のアルバム Op.79より
  aus “Liederalbum für die Jugend” Op. 79
  ジプシーの歌I&II / てんとう虫 / 歩きまわる鐘 /
  牛飼いの別れ / 時は春 / 松雪草 / 塔の番人リンツォイの歌
  Zigeunerliedchen 1 & 2 / Marienwürmchen /
  Die wandelnde Glocke / Des Sennen Abschied /
  Er ist’s / Schneeglöckchen / Lied Lynceus des Türmers

  子供の情景 Op.15(ピアノ・ソロ)
  Kinderszenen Op. 15 (piano solo)

  5つの歌曲 Op.40
  5 Lieder Op. 40

 

ブリテン Britten

  冬の言葉 Op.52
  Winder Words Op. 52

  《この子らは誰か》Op.84より
  from “Who are these Children?” Op. 84

  悪夢 / 殺戮 / この子らは誰か / 子供達
  Nightmare / Slaughter / Who are these Children? /
  The Children

  民謡編曲第2集《フランスの歌》より
  from Folksong Arrangements Vol. 2 “France”

  愛の園の美人 / こだま、こだま / 父の家にいたとき
  La belle est au jardin d’amour / Echo! Echo! /
  Quand J’étais chez mom père

 

イアン・ボストリッジ  テノール
Ian Bostridge   Tenor

サスキア・ジョルジーニ  ピアノ
Saskia Giorgini     Piano

 

ボストリッジと言えば、今年わたしが読んだ本の中でもヒットだったのがこちらの本です。全国のシューベルトファンの皆さんも読んだかしら?いずれ別途この本についてブログに書きたいです。

シューベルトの「冬の旅」
イアン・ボストリッジ著

(画像をクリック)

旧ブログを閉鎖して新しいブログをスタートしてもうすぐ3ヶ月になりますが、何故か以前にも増して取り上げたい話題が歌曲やオペラなど言葉が絡む作品が多いような気がします。

ところがクラシック音楽の世界の歌曲やオペラというのは外国語の世界であり、日本の一般社会にはあまり馴染まない世界なのだろうと思わざるを得ません。わたしがますます周囲の人間と話が合わなくなってきたのは、ひょっとしたら「語学系」クラシック音楽にのめりこむようになってからなのかもしれない。歌曲リサイタルやオペラには気軽に人を誘えないし、内容について語っても誰も興味持たないし、そもそもわたしが何を言っているのか分からないだろうし、気の狂った語学オタクだと思われているだろうし(笑)

 

歌曲はクラシック音楽の中でも好きなジャンルではあるけど、語学好きスズキであっても、実はかなりシンドイ。結局のところわたしの語学レベルは中途半端で、こういうコンサートのために予習するのも一苦労。

まずは曲の音源を探し、歌詞の原語と対訳を探して聴きながら読む。日本語の対訳がなければ英語の対訳を読む。文学的な詩は翻訳で読んでも結局のところ分かりにくい。単語を調べてみたり、初めて接する言語なら初級文法をざっと学んでみたり。

 

音楽は感じるものだから頭を使うのは変だと思う人間が多い世の中では、わたしは完全に変人なのです。でもね、歌曲ですよ。ドイツ歌曲とか。当日に会場で渡されたプログラムの対訳を読みながら生演奏を聴くなんて、どこが面白いのですか?ぜんぜん面白くないです。意味不明で内容を飲み込めない状態ではせっかくの歌声も楽しめません。

そんな事情のため、歌曲にとても情熱を持っているのに、歌曲探訪がなかなか進まないのです。もどかしいです。前に進めば進むほど、魅力ある歌と出会えるはずなのに。今年少しロシア語をかじったのでロシア歌曲を楽しもうと思っているのに、まだ何もやっていません。

 

歌曲を歌っている人たちはどう考えているのだろうか。来日する歌手は日本で歌うことをどう思っているのだろうか。わたしたちにとっては母語ではないから、ストレートに理解はできないのですよ。ホールで対訳を眺めながら聴いてもらうことで「良し」と考えるのだろうか。対訳も何もいらない、雰囲気だけ楽しんでくれればいいと思っているのだろうか。

 

そういえば、以前このホールでイギリス出身のテノール歌手マーク・パドモアによるマスタークラス(公開レッスン)を聴講しました。歌曲の理解を深めるために、聴衆にとっても有り難い機会です。ボストリッジの本も理解を深めてくれます。(ボストリッジもイギリス出身。)

 

歌曲リサイタルを開催する人たちにお願いがあります。当日配る資料を、事前に何らかの形で公開してもらいたいです。「冬の旅」全曲を歌うなどという場合を除き、歌曲は予習が困難です。バラバラに曲の音源とテキストを集めるだけで何時間もかかってしまいます。ときに費用もかかります。それから曲を勉強するのです。それが面倒だから、興味があっても歌曲リサイタルに行くことを諦めることがあります。

 

今回のボストリッジのプログラムは歌曲集から数曲を歌うので比較的予習しやすいです。シューマンはドイツ語、ブリテンは英語とフランス語です。1回のリサイタルで3言語の歌を聴けるのは少し珍しいかもしれません。

わたし、実はまだボストリッジの生歌を聴いたことがないのです。聴く予定だったけど、協演者のキャンセルでプログラムチェンジがあって、チケットを手放しました。

聴く予定だった曲について

www.music-szk.com

 

今回も行くかどうかは予習する余裕があるかどうかによります。上の本を読んで、ボストリッジの知性と人間性に惚れ直したので行きたい気はあるのですが・・・

彼はオックスフォード大学で歴史を勉強して博士号を取得。その前に自然科学だったかな・・その分野の勉強も修めているので知識が音楽オンリーではなく、幅広いのです。

 

そして、ええと、とても美しい若いピアニストですね・・・

サスキア・ジョルジーニ、初めて見る名前ですが、ほんの2年前までコンクールに出ていたような超若手ピアニストがベテラン大物歌手ボストリッジのピアノパートナーを務めるというのは凄い。

わたしは、歌曲伴奏はソロピアノとは違うし、室内楽ピアノとも違う世界だと思うのです。そして歌曲のピアノはソロや室内楽より難しいと思うのです。歌曲の伴奏をできるピアニストをわたしは尊敬します。新人ピアニストに向いている世界ではないというのが正直な考えです。

しかし・・・良かったら少し聴いてみてください。ジョルジーニとボストリッジがシューベルト「冬の旅」を演奏しています。オランダの放送局のYouTubeページで公開されている動画です。いい感じのピアノ演奏です。素人判断ですが、いい感じです。


Schubert: 'Winterreise' - Ian Bostridge - Live concert HD

 

2016年、サスキア・ジョルジーニはまだピアノソロのコンクールに出ていた頃の演奏です。コンクールに出ながら歌曲も勉強していたのだろうか。

その後さらに磨きをかけただろうし、これからさらに極めていくだろうと思うと、ひょっとすると彼女はわたしが追いかけるべきピアニストなのかもしれない。最初の部分しか再生していませんが、少し鳥肌を感じます。

 

「冬の旅」リサイタルなら予習も済んでいるから絶対に行くのに。ボストリッジの本を読み直してから行く。

でも、新しい歌曲を予習して知ることができれば、それは自分の財産になるのですよ。新しい世界に足を踏み込むことができるのですよ。

がんばって予習するか・・・? これから忙しくなりそうなのに? どうするスズキ?! 悩むところです。

 

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ちょうどトッパンホールの記事を書こうと思っていたときに、珍しくコンサートの誘いがありました。チャリティコンサートです。

2018年10月30日(火)19:00
Tuesday, October 30, 2018

http://y-m-a.com/248

チケットを買う(チケットぴあ)Ticket Pia icon

「西日本豪雨災害復興支援」チャリティーコンサート
Charity Concert for West Japan Floods

ショスタコーヴィチ Shostakovich

 2つのヴァイオリンとピアノのための5つの小品
 Five pieces for two violins and piano

モシュコフスキ Moszkowski

 2つのヴァイオリンとピアノのための組曲 ト短調 作品71
 Suite for two violins and piano in G minor, op.71

ヴィヴァルディ Vivaldi
 協奏曲集《四季》Four Seasons

他 Others

長原幸太 ヴァイオリン
Kota Nagahara  Violin

佐久間総一  ヴァイオリン
Soichi Sakuma   Violin

読響有志
Friends from Yomiuri Nippon Symphony Orchestra

 

広島県出身のヴァイオリニストで読売日本交響楽団のコンサートマスターでもある長原幸太さんと広島交響楽団のコンサートマスター佐久間総一さんが仲間たちを集めて開催します。チケットの売上と会場で集めた寄付金は西日本豪雨災害復興支援に使われます。

ヴァイオリニスト2人が中心なのでヴァイオリン2つのための珍しい作品が聴けるところが楽しみです。

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