オススメのクラシック音楽コンサート東京 武蔵野市民文化会館 小ホール(2018年12月、2019年1月)

武蔵野さん賛歌!

東京都武蔵野市の公益財団法人武蔵野文化事業団が企画する小ホール公演は凄いです。JR三鷹駅から徒歩15分ぐらいという、近隣住民以外にとっては決して便利ではないロケーションにも関わらず、首都圏のクラシック音楽ファンはこのホールの公演を必ずチェックしています。

この小ホールと事業団のことをわたしは親しみを込めて「武蔵野さん」と呼んでいます。

武蔵野市民文化会館小ホール

Musashino Civic Cultural Hall

http://www.musashino-culture.or.jp

 

(ですます調をちょっとストップ)

 

 

武蔵野さんの凄いところ 1.多様な演奏者

他のホールでは毎年同じ「常連さん」の名前ばかり並ぶのに、武蔵野さんでは新しい名前を見ることが多い。コンクールで入賞したばかりの新人から、滅多に来日しない、日本では知られていない実力者ベテランまで。

他のホールを責めているわけではない。何年も時間をかけて特別な関係を深めるのは悪いことではない。チケットが売れないと致命傷となるわけだから、1度実績を作った演奏者を何度も呼ぶのはビジネスとして間違っていない。でも、知らない演奏者を知りたいスズキのような人間は少し残念に思う。

武蔵野さんは、チケットが売れないかもしれないというリスクを負いながら、幅広いアーティストに出演を依頼している。特に海外から呼ぶ場合は演奏者の旅費もかかるし、リスクは大きい。

1度公演を成功させて、関係を結んだ演奏者とのやりとりはスムーズに進むだろうけど、初めてコンタクトを取る相手と交渉するのは気も使うし、いつも上手くいくとは限らない。実現した公演の背後には、実現できなかった企画もいろいろあるのかもしれない。

チケットの値段から思うに、演奏者の報酬もそれほど多いとは思えない。チケットが売れるかどうかも「懸け」みたいなもの。それでも来てもらえるように、ここで演奏する魅力を伝えて、相手を説得できる人材が武蔵野さんにはいるのでしょうね?!

10年クラシック音楽を聴いてきたわたしがまだ名前を知らない演奏家の名前が主催公演では見られる。

最近気になった海外演奏家が過去に来日していないか調べてみると、数年前に武蔵野の小ホールで演奏していたということがある。たとえば最近すごく気になるヴィオラ奏者のマキシム・リザノフも2015年に武蔵野で演奏していた。当時は彼を知らなくて聴き逃した(涙)

武蔵野さんのパンフレットでお馴染みのフレーズがある。

「武蔵野のためだけに!」

この1回の演奏のためだけにヨーロッパから日本に飛んでくれる演奏者がいる。都心から少し離れた小ホールのために。リザノフも武蔵野のためだけに来日したらしい。ああ、リザノフ聴きたかった・・・

 

武蔵野さんの凄いところ 2.チケットが安い

武蔵野さんはオリジナル企画だけをやっているのではない。他のホールで演奏するアーティストを呼んだり、オーケストラのソリストとして来日する演奏家を呼ぶこともある。都心の他のホールと比べると少し安い値段設定になっている。

日本であまり知られていない演奏家や若手演奏家の場合は1000円台から2000円ぐらいの激安であることも。安過ぎてチケット争奪戦になってしまうので、絶対に行きたい公演のときは困る。もっと高くても行くのに。

 

武蔵野さんの凄いところ 3.小ホールなのにパイプオルガン

425席という理想的なサイズのホールであるというだけで、わたしの評価はGoodなのだが、そこにパイプオルガンまで設置されている。オルガンは大ホールではよく見られるが、武蔵野の小ホールのような規模のところに設置されているのは珍しい。

以前、武蔵野さんはここで国際オルガンコンクールを開催した。わたしは予選からファイナルまで数回聴きに行った。大ホールや教会でのオルガン演奏の場合は演奏者を観察するのは難しい。客席とオルガン奏者は距離がある。しかし、小ホールなら、バッチリ観察できる。身体を捻りながら足を伸ばして演奏する姿は興味深かった。若いオルガニストの卵たちの生き生きとした表情も小ホールだからこそ見ることが出来た。大ホールや教会の雰囲気やボリュームとは違うけれど、小ホールのオルガンもなかなか面白いと思う。まだ経験してない音楽ファンはぜひ行ってみるといい。

 

思い出の公演

2011年秋ごろ、ある日の朝、何気なくネットを見ていたら、その日がブラレイさんの武蔵野でのピアノリサイタルのチケット発売日であることを知った。公演自体、寝耳に水だった。武蔵野市民文化会館というホールさえ知らなかった。焦って販売窓口に電話をかけた(当時はオンライン販売はなかった)。そのリサイタルについては過去記事参照。

特別な公演と言えば、やはりショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲全15曲を1日で演奏したあの企画。2013年12月だった。演奏したのはアトリウム弦楽四重奏団。朝11時から夜22時ぐらいまで、数回の長い休憩を挟んで鑑賞した。最後にあの第15番を照明を落として演奏したのが大企画の締め括りとして迫るものがあって良かった。

 

オススメの公演

まず、大事なことから。武蔵野さんのチケットは、チケットぴあでは買えない。武蔵野文化事業団のサイトで購入する。サイトはすぐに残席の位置が分かる画面が表れるし、手数料も切手代のみなので使いやすい。

直近のコンサートは既に完売のものも多い。年間まとめて公開ではなく、開催が決まったコンサート情報を随時公開しているので、たまにサイトでチェックしよう。

 

アブデル・ラーマン・エル=バシャ

Abdel Rahman El Bacha

2018年12月13日(木)19:00

2018年12月14日(金)19:00

エル=バシャ 60歳記念2夜連続ピアノ・リサイタル "72の前奏曲"

http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2018/08/60-72.html

バッハ 平均律クラヴィア第1巻

ショパン 24の前奏曲

ラフマニノフ 13の前奏曲、10の前奏曲、他

アブデル・ラーマン・エル=バシャ  ピアノ

Thursday, December 13, 2018

Friday, December 14, 2018

J. S. Bach

    Das Wohltemperierte Klavier Erster Teil, BWV 846-869

Chopin

   24 Préludes

Rachmaninov

   13 Preludes, 10 Preludes, etc.

Abdel Rahman El Bacha   Piano

ゴールデンウィークの音楽祭ラ・フォル・ジュルネでお馴染みのエル=バシャさん。ダンディーで素敵・・・ おっと、失礼。

バッハの平均律クラヴィア第1巻の前奏曲、ショパンの24の前奏曲、ラフマニノフの各前奏曲から、調性ごとに1つずつ弾いていくという独特の前奏曲特集。

まずバッハのハ長調、ショパンのハ長調、そしてラフマニノフのハ長調。

それからバッハのハ短調、ショパンのハ短調・・・

アタマの切替が追いつかないとわたしは思うのだが(笑)

何はともあれ、信頼できるエル=バシャ様だし、しばらくエル=バシャ様の演奏を聴いていないし、エル=バシャ様の高貴な雰囲気を楽しむのも良いし、スズキはチケット購入済み。ふふふ。

最後のロ短調で、どのような気分に陥るのか楽しみだ。わたしは某本を読んでからロ短調を意識するようになった。ライプツィヒを旅した後、わたしは平均律クラヴィア第1巻のロ短調を熱心に弾いていた。あの頃を思い出すのだろうか。ああ、でも前奏曲だけなんて。最後にアンコールで平均律のこのロ短調の前奏曲とフーガを一気に弾いていただきたい。

2日連続で鑑賞するなら4000円、どちらか1日のみなら2500円。安過ぎる。

 

他にも紹介したいのはいくつもあるが、おそろしく長い記事になりそうなので、遠慮する。2018年12月20日のヴァイオリニスト漆原朝子さんのオールシューマン、2019年1月6日のトマ・オスピタルのオルガン・リサイタルが面白そう。オールシューマンなんて、滅多にないのでシューマン信者は喜ぶでしょう。かなり濃い時間になりそう。オルガン・リサイタルは、前述の通り小ホールだから演奏者を間近で観察できるということと、1000円という激安価格が凄い。

 

武蔵野さんに呼んで欲しいアーティスト

積極的に幅広く演奏者を呼んでくれる武蔵野さんに、オススメしたいアーティストがいる。もし良かったら検討していただきたい。

ヘルベルト・シュフ ピアノ

わたしの三大ピアニストの中でも最も来日が少ないピアニスト。ルーマニア生まれのドイツ人。詳細は過去記事で。最近はピアニストの奥様と連弾もやっているのでデュオ・リサイタルも良いかも。もちろんソロもたっぷり聴きたいので2日連続で、1日目ソロ、2日目デュオなど。

ただし、チケット販売は厳しいかもしれない。シュフさんに関して書いたブログ記事はアクセス数が少ない。もちろん、もし公演が決まれば、わたしは積極的に(勝手に)宣伝するつもりなのだが。

www.music-szk.com

 


Herbert Schuch: Invocation


DIALOGUES Zimmermann & Mozart by Gülru Ensari & Herbert Schuch

 

ミネッティ弦楽四重奏団

旅先のオーストリアで鑑賞したクァルテットの演奏が清々しくて忘れられない。日曜午前の青い空と緑の森と山の風景にピタっと合う演奏だった。こちらも詳細は過去記事で。 

www.music-szk.com

 


98029 Beethoven performed by the Minetti Quartett

 

レオナルド・ガルシア・アラルコン 指揮

& カペラ・メディテラネア

& ナミュール室内合唱団

指揮者のアラルコンは知られざるイタリアのバロック作曲家ミケランジェロ・ファルヴェッティのオラトリオ作品を熱心に演奏している。

アムステルダムで偶然ファルヴェッティ作曲「ナブッコ」を鑑賞する機会があった。詳細は過去記事で。

今度は「大洪水」を鑑賞したい。ぜひ武蔵野さんの小ホールで。

 

www.music-szk.com

 


Nabucco Falvetti, september 14th 2012!

 

ルイス・フェルナンド・ペレス  ピアノ

ラ・フォル・ジュルネの常連、スペイン出身のピアニスト。音楽祭の1時間リサイタルではピアニスト本人は物足りなさそう。ぜひ彼に通常の2時間のソロリサイタルを東京で演奏する機会を与えていただきたい。張り切って来てくれると思う。ペレスさんについても過去記事で。

www.music-szk.com

 


Manuel de Falla : Danza del molinero, par Luis Fernando Pérez

 

カピュソン兄弟&ブラレイ

ヴァイオリン奏者のルノー・カピュソン、弟でチェロ奏者のゴーティエ・カピュソンは、ともにわたしが尊敬するピアニスト、フランク・ブラレイの演奏仲間。しかし、何故か来日するときはバラバラ。3人が一緒に演奏したのは大昔のラ・フォル・ジュルネぐらい。当時わたしはまだクラシック音楽に夢中になっておらず、聞き逃している。

その後、日本で3人揃った演奏を聴く機会が全然ないので、わざわざヨーロッパまで彼らの演奏を聴きに行ってしまった。以上の話は過去記事で。

近年は3人それぞれ忙しい。できればトリオが聴きたいが、ルノー&ブラレイ、あるいはゴーティエ&ブラレイのデュオでも良い。何らかの事情で(マネジメント会社の都合?)同時に来日することができないのかもしれない。(去年だったか、非公開公演でゴーティエ&ブラレイが大阪であったらしいけど。)武蔵野さんの交渉力で状況を変えられると良いのだが・・・ 

需要は高いと思う。チケットは確実に売れる。実現すれば間違いなくファン待望の公演。全国のブラレイさんファンも駆けつけると思う。カピュソン兄弟がそれぞれ来日するたびにピアニスト名をチェックしてガッカリしてしまった経験が何度もあるのだから。(ブラレイさん以外のピアニストもそれぞれ良いピアニストなのだけど・・・) 三重奏好きの室内楽ファンも来る。

3人一緒に演奏するときのルノーさんの幸せそうな表情が好き。

www.music-szk.com


B. Haitink, R. and G. Capuçon, F. Braley: Beethoven - Triple concerto

 

 

武蔵野さん、いつもありがとうございます!

多くの人々に音楽が届きますように!

 

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以上、東京の小ホールを勝手に応援するシリーズはひとまず終了。

また時間を置いてから定期的に「巡回」して勝手にオススメする記事を作成しましょう。

 

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