クラシック音楽に惚れちゃったらドイツ語を学ぼう!

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あなたの来年の目標にいかがでしょう?!

同様のことはフランス語、イタリア語、ロシア語など他のヨーロッパ言語に対しても言えるのですが、まずはドイツ語について取り上げましょう。

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ドイツ語を学ぶべき理由(クラシック音楽ファンの場合)

オペラや歌曲をもっと楽しめる

「日本語対訳があるからドイツ語なんて分からなくてもいいじゃん」と言うなら、それでもいいのです。

でも、そのオペラや歌曲がどうしようもなく好きになってしまったら、もっと作品について知りたくなると思うのです。

「クラシック音楽は好きだけど語学なんて興味ない」という人はきっとまだ運命的なテキスト付き作品に出会っていないのかもしれません。出会ったときがチャンスです。そのとき、語学の勉強について検討してみましょう。

「作品を深く知りたいとか、そういうことは考えたことない」「感覚的に楽しみたい」という場合でも、もし気に入ったドイツ語の作品を聴きながら一緒に歌いたいと望むなら、さっと一通りドイツ語の基礎を学んでみると良いです。より正確な発音で歌えると快感です。単語ひとつひとつの意味をある程度まで理解していると表現力もアップでますます気分良く歌えます。(スズキも生鑑賞前の予習でよく一人でこっそりノリノリで歌っていますよ。音程はともかく、発音はそこそこ自信あります!)

オペラや歌曲だけでなく、宗教曲もドイツ語の作品がたくさんあります。カンタータやオラトリオなど。(バッハのカンタータをドイツ語で口ずさむ幸せ!!)

ドイツ語圏を旅するときに役立つ

ドイツやオーストリアなら英語で十分だと思われるかもしれませんが、地域によってはそうとも言えません。たとえばバッハが活躍したドイツのライプツィヒやシューベルティアーデという音楽祭があるオーストリアのブレゲンツの森に滞在するなら、片言でもドイツ語が話せたほうが断然快適に楽しめます。

いまは「多忙だしお金ないしヨーロッパ旅なんて無理」などという状況でも、5年後や10年後には旅できるかもしれませんよね? 語学の勉強は長期戦です。いまからスタートしましょう。

ドイツ語の書籍、動画、ラジオ等を楽しめる(上級者)

「好きなピアニストのインタビューを見つけたのに、何を言っているか分からない~(涙)」と泣いたことがあるのは、わたしだけではないはず。

文字データになっているインタビュー記事ならGoogle翻訳で大体の内容は把握できるけど、音声自動翻訳はいまのところ簡単な旅行会話ぐらいしか訳せないといったところでしょうか?

音楽家による専門的な内容の音声が自動翻訳で楽しめる時代はまだ先だと思われます。それを待つより、その言語を自分で勉強してしまいましょう。

とは言っても、それはなかなか難しいです。わたしもまだ断片的にしか理解できません。肝心の音楽に関する話は少ししか聴き取れないのに、どうでもいい雑談のほうが分かると言う、微妙なレベルです。それでも、どうでもいい雑談が分かるというだけで嬉しかったりもします。好きなアーティストの発する言葉であるなら、なんでも聴きたいわよね?(笑)

音楽に関する研究等の専門書も、もし、深く調べたいと思うのなら日本語や英語ではない文献を当たらなければなりません。紙の書籍をGoogle翻訳するのは困難です。(自分で手入力するか、本を解体してスキャンして文字認識機能で自動テキスト化?)

この記事では主に先に挙げた2つの理由でドイツ語を学びたいと思う人を対象にしていますが、わたしが個人的に最終的に目指したいのは、この3つ目の部分ですね。無理かもしれないけど。

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ドイツ語学習で目指すレベル(クラシック音楽ファンの場合)

初級文法が分かる

ドイツ語は英語と比べると動詞の活用が複雑です。冠詞や形容詞もたくさん変化します。本格的に学ぶなら、とにかく暗記しまくらなければなりません。しかし、前述のドイツ語を学ぶべき理由の最初の2つを目指すなら、活用等を完璧に覚える必要はありません。

まず、大まかなルールを把握すること。その単語が動詞なのか名詞あるいは前置詞や冠詞なのか予想が付くぐらいの理解度だと良いでしょう。

そのレベルなら、必要に応じて辞書を引くことができるし、辞書に書かれている文法的な説明も理解できます。あまり辞書を使うことがないとしても、いざというとき、ベーシックな知識があれば安心です。

文法というと、嫌がる人も多いと思います。よほどの語学マニアでない限り、文法の習得は面倒だし退屈ですものね・・・ しかし、大まかに文法を理解しているだけで、定番の旅行会話や挨拶も覚えやすくなります。意味も分からず文章を丸暗記するだけの即席の旅行会話特訓では、飛行機に乗っている間に忘れてしまいます(笑)

発音のルールが分かる

耳がいいからオペラのCDを聴くだけでドイツ語で歌える、だからテキストなんか要らない!・・・なんていう人はあまりいないのでは?文字で確認しながら聴いたほうが歌の中の発音もよりクリアに聴こえてきます。

ヨーロッパの多くの国では英語と同じアルファベットが使われていますが、同じ綴りでも発音の仕方はそれぞれ違います。例えばCHAは英語では「チャ」、フランス語では「シャ」、ドイツ語では「ヒャ」。

ドイツ語には英語にはない文字ß ü ä ö がありますので、その発音も学びましょう。

 

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ドイツ語の学習計画(クラシック音楽ファンの場合)

「初級文法が分かる」と「発音のルールが分かる」を目指すなら、学習期間は3ヶ月で良いと思います。専門的な内容を理解できるレベルを目指すなら?一生かけて勉強しましょう。(がんばりましょうね!)

「初級文法が分かる」と「発音のルールが分かる」を目指す場合の計画プラン例はこちらです。

 

とりあえず3ヶ月だけ頑張ってみよう

初級文法の学習本で個人学習しながらNHKラジオの語学講座オンデマンドで補足(3ヶ月)

初級文法の学習本

わたし自身が使った文法書の中で、3ヶ月で学べるオススメのものはありません。参考としてAmazonで評判の高い本をここに載せます。目次を見ると主要な文法を網羅しています。CDも付いています。妥当なチョイスだと思います。

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なぜ個人的にオススメできる本がないのかと申しますと、わたしがドイツ語学習の最初に利用した本は3ヶ月では終わらない長い重い本だったので、この記事での学習目的には合わないからです。でも少し面白いので紹介します。興味があれば手に取って見て下さい。

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ドイツ語学習では伝説的な本だと思います。何と1956年に出版された本がベースになっています。全3冊の古めかしい印象の「初等ドイツ語講座」をわたしが選んだのは関口存男氏(1894年~1958年)による序文や掲載コラムに惹かれたからです。本屋に並ぶ「簡単に学べる」と謳う語学書への苦言ユーモラスに述べていらっしゃいます(笑)

語学習得には時間がかかり、忍耐も必要で、「簡単な」ではなく、丁寧に必要事項を網羅した本が必要であるという主張には、わたしも異論ありません。ただ、今回この記事で取り上げているのは、クラシック音楽ファンが音楽をより楽しむために少しドイツ語の知識を身に付けるための学習についてですから、どうか関口先生、ご理解くださいね。お怒りにならず・・・

本で取り上げられている文章は、実生活では使わないような文章ばかりですが、特徴的で、皮肉っぽかったり、理屈っぽかったりするところが気になって、案外ツボに嵌ります。そんな世界に興味があれば、ぜひどうぞ。

 

NHKラジオの語学講座

2018年現在、初心者向けの番組は4月スタートと10月スタートの年2回です。1回15分、週3回分のプログラムがラジオ放送から1週間後にネットでオンデマンドで視聴できます。

www2.nhk.or.jp

この講座を補足的に使うことをオススメします。NHKさんには怒られてしまうかもしれませんが、毎月発売のテキストは買わずに音声だけ聴きます。

1日1回ずつ週3回、あるいは週末にまとめて45分聴く。初級編は簡単過ぎると思うなら、週2回の応用編をリスニング練習として聴いてみてもいいでしょう。

なぜメインではなく補足的に使うことを勧めるのかというと、スタートが4月と10月と限定されていることと、各回の視聴が1週間のみというのが、個人の事情に合わない場合があるからです。

それにも関わらず、わざわざ講座を紹介するのは何故か? けっこう内容が凝っていて面白い番組があるからです。

わたしのお気に入りは、日本をドイツの人々に紹介する出版社という設定の応用編の番組でした。1回目は取材の感想などをライター2人が会話する様子、2回目は実際の記事を読み上げる。

入門編では好奇心旺盛な黒猫イクラちゃんが毎回ドイツやオーストリアの歴史上の有名人物と森でバッタリ会うという設定や、生き別れになった双子の姉妹が大学生になって偶然再会する物語、人間界で育ったドイツの魔女っ子がブロッケン山の魔女学校に入学する物語の番組などもありました。

 

学習開始から3ヵ月後、好きなオペラや歌曲、あるいは鑑賞予定のオペラや歌曲のドイツ語と日本語対訳を見比べながら、主にドイツ語に注目して聴いてみましょう。対訳がないなら、ドイツ語だけで楽しみましょう。前より抵抗感なく、楽しめるはずです。(オペラや歌曲の予習の仕方については別途記事を書く予定です。)

学習開始から3ヶ月以降に鑑賞予定があると良いでしょう。原語で楽しむことを目標にして学習しましょう。(今年、わたしはロシア語オペラの鑑賞を目指してロシア語を3ヶ月がんばりました!)

 

2019年1月からドイツ語を勉強するアナタにオススメ
グッドタイミングなドイツ語のオペラ

リヒャルト・シュトラウス作曲
オスカー・ワイルド原作
オペラ「サロメ」
東京二期会 東京文化会館

2019年6月5日(水) 18:30
2019年6月6日(木) 14:00
2019年6月8日(土) 14:00
2019年6月9日(日) 14:00

http://www.nikikai.net/lineup/salome2019/index.html

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学習を継続するなら

オススメの本

画像をクリック

耳が喜ぶドイツ語

ドイツ語圏の様々な情報が盛り込まれています。興味を持ってもらえるように熱心に丁寧に書かれたのだろうと思います。

それだけでなく、音声を吹き込んだマライ・メントラインさんの声がステキです。ステキというか、カワイイです。欧米では日本とは違い、低めの声で話す女性が多いので(そのほうが信頼感があると相手に思われる)、マライさんのような高めで若干アニメキャラのようなかわいらしい声は珍しいと思います。

何が良いかって?実はそういうカワイらしい声は語学の学習者としては真似したくなるのです。イントネーションまでそっくりに真似たくなるのです。学習者にとっては都合が良いのです。(男性の皆さんもどうぞ遠慮なくマライさんの読み方を真似してみてくださいね!)

ちなみにマライさんは前述のNHKラジオのドイツ語講座で黒猫イクラちゃんの声も担当していました。彼女は、ツイッターで驚くほど正確で自然な日本語を書いていらっしゃいます。

画像をクリック

ドイツ語 リアルフレーズBOOK

付属CDを何度も聴きました。短い日本語でキーワードを述べた後に、ドイツ語の短い会話が流れます。

ドイツ語だけだと分からない、でもすべてに対して日本語訳が吹き込まれていると長くて鬱陶しい・・・というスズキのようなワガママな学習者には向いています。リズム良く進みます。

あまり集中できない場所だけど、何か学習音源を聴きたいというとき(混雑した電車内、家事をやっているとき)に良いと思います。

 

オススメの無料サイト(英語に抵抗のない人向け)

 

ゲーテ・インスティテュートの動画

「ドイチュランド・ラボー」

Deutschlandlabor

www.goethe.de

ドイツについて研究する科学者ニナとダヴィドという設定。音声はドイツ語のみだけどセリフの英語訳と単語リストのPDFファイル (Manuskript zum Mitlesen und Wortschatzhilfen) をダウンロードできます。

ニナは本業ジャーナリストで、ダヴィドは学生。

クラシック音楽ファンとしては、「音楽」がテーマの動画で使われたリコーダーの音程が狂いまくりだったのが笑える・・・ 日本の小学校で使うリコーダーの方が質が良いと思われます。

今年、画面の下のほうから順番に熱心に学習を進めていたのですが、残り7動画でいろいろ余裕無くなってストップ。再び余裕ができたとき、別におもしろい学習動画を見つけてしまったので、このサイトでの学習は進んでいません。。またいつか(汗)

 

YouTube動画「イージー・ジャーマン」

Easy German

この記事を書こうと思った最大の理由は、このサイトを紹介したかったからなのですが、ここまでが長くなってしまった・・・ 

いまは外国語を勉強したくなったら、まずYouTubeを調べるのでしょう、わたしより若い人たちは(笑)  無料なのに、その充実ぶりにスズキおばちゃんはビックリしてしまいました。


What is the meaning of life? | Easy German 129

こちらの動画では「人生の意味は?」と街角インタビューしています。

Easyシリーズは他の言語でも展開しているようです。ドイツ語版は主にカリさんというドイツ人の女性がレポーター役で、彼女の夫でポーランド出身のヤヌシュさんがカメラ担当。ヤヌシュもたまにレポーターをやっていて、他にもドイツ語学習中のリスナーやドイツ在住の外国人も番組作りに参加しています。毎週2本、新しい動画がアップされます。1本あたり10分前後です。

カリ&ヤヌシュというコンビが素敵です。どこかテディベアのようなほんわかした平和な雰囲気だけど、笑いながらよく喋る2人。コメント欄を読んでも、2人の人柄のファンが多い様子。

ほとんどの動画が街角インタビューなのですが、その内容が哲学めいたものも多いのが、さすがドイツ!とは言っても、ポーランド出身のヤヌシュは哲学が好きで哲学の話で特に張り切って喋っているのに、カリは哲学にはあまり興味がないのでポカンとしている(笑)

驚くのは、突然インタビューされた人々が明確に堂々と自分の意見を述べている様子。ああ、このようなインタビューを日本でやっても、まともに喋れる通りすがりの人などほとんどいないから、番組が成り立たないでしょう(辛口スズキ)。

ベルリンなど大都市では、通りすがりの人々も背景が様々です。「ドイツ人は○○ですか?」などという質問をしても、「あ、でもわたしドイツじゃなくて○○出身なのだけど」みたいな答えが返ってくる。もちろんドイツ語で。

動画にはドイツ語と英語の字幕が付いているのだけど、何しろインタビューされた人々が猛烈なスピードで喋るので、声も聞き取れないし、字幕を読むのも間に合わない。自然なスピードのドイツ語はなかなか恐怖だ・・・ だけど、それが分かるようになることが目標なのですよね。

Easy German より少し易しい Super Easy Germanというシリーズもあります。こちらでは、カリが初級文法をドイツ語で文法を説明したり、学習の助言をしたりしています。こちらではみんなゆっくり丁寧に発音して話しています。


At the Christmas Market | Super Easy German (10)

この動画ではインドネシア出身のアンデスさんとイタリア出身のフランチェスコさんも出演しています。

それにしても、動画という世界は、内容も大事だけど、プレゼンターの人柄や熱意も人気に大きく影響するのだろうと最近思います。

インターネットは大いに活用しつつも、情報源はほとんどテキストデータ(動かないウェブページ)ばかりだったわたしは、遅ればせながら動画の世界の可能性を考えるようになりました。これまで動画といえば、ほとんどクラシック音楽関係(演奏やインタビュー)しか観ていませんでした。

Easy Germanをオススメする理由のひとつとして、自分以外にもたくさんのドイツ語学習者が世界中にいることを知り、モチベーションを上げることができるという点があります。

ドイツ語を勉強中の人が身近にいるということは、日本ではあまりありませんよね。動画では学習者が果敢に街角インタビューを行っていたりします。すごいなと思います。相変わらず上達しない自分を思うと、悔しいという気持ちにもなります。

コメント欄の盛り上がりぶりも凄いです。動画のインタビューの内容がまた、「わたしにも一言いわせて!」と思わせる内容だからなのかもしれませんが、多くの書き込みがあります。「自分は○○出身で、ドイツ語を勉強し始めてから○年だけど」などと自己紹介を交えながらコメントをする人もいます。英語のコメントも多いけど、ドイツ語で書き込む人も多いです。

我々のようにドイツ語圏から遠く離れたアジアでドイツ語を勉強している人々からの書き込みもあります。みんな、がんばっているなぁ。うーん、負けていられないぞ。という具合に、モチベーションを上げてくれます。

 

そして最後に紹介するのは、既にブログ内で何度か登場していますが、北ドイツ放送のクラシック音楽家にインタビューする番組「クラシック・ア・ラ・カルト」です。

www.ndr.de

わたしはポドキャストをiPodにダウンロードして聴いています。「え!あなたもですか!?」と思う演奏家がドイツ語でインタビューを受けているというのも以前書いたとおりです。1時間近く、じっくり話を聴くラジオ番組ですから、わざわざ通訳を入れてまでインタビューすることは無いのでしょう。みんなドイツ語が喋れるからスタジオに呼ばれたのでしょう。

ヴィオラ奏者のニルス・メンケマイヤーを発見したのもこの番組です。

 

音楽に言葉の壁はないという意見もありますが、複数の言葉を使えれば、それだけ多くの人に語りかけることが可能であり、それだけ多くの情報を手に入れることが可能であることをわたしは忘れません。 

 

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ところで、スズキのインスタグラムでチェコ音楽旅の写真約40枚が公開されました。よろしければ、こっそりチラ見してみては?!

www.instagram.com

旅の写真などはただの自慢と言えば、そうなのかもしれないけど、旅という形で音楽を楽しむことも可能だということに気付いて目覚める人がいるといいなぁ・・・という淡い期待を抱きながら公開するものです。

さあ、アナタも重い腰を上げて2019年はドイツ語を勉強しましょう!

そして、いつかヨーロッパに音楽旅にでかけましょう!

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