クラシック音楽を聴くと頭が良い子になるか? なりません!! だけど・・・

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「いいえ、なりません」

クラシック音楽鑑賞歴10年超のスズキは、クラシック音楽を子どもに聴かせるだけで頭が良い子になるかどうかという質問に対しては、「いいえ、なりません」と回答する。

せいぜい脳がリラックスしてストレスを取り除き、勉強等に集中できるとか、その程度のことである。

それを「頭が良くなる」と表現するのは大袈裟だと思う。英語の音声を聴き続けるだけで英語ペラペラになるというのと似たような胡散臭い話に思えてしまう。

 

一方で、クラシック音楽を聴き流すだけでなく、その曲に惹かれ、曲の詳細、内容、背景に関心を持つようになったら、その子は幅広い教養のある知的な人間になるかもしれない。好奇心こそ知性を育てる最大の要素。

 

クラシック音楽に興味を持てば、頭が良くなるかもしれない・・・それは何故か?

 

クラシック音楽が西洋の複雑な歴史文化と関わりの強いものだから

神話や宗教に関する曲、文学や哲学に影響を受けた作曲家。好きな音楽についてもっと知りたいと思ったわたしは突然挫折。ヨーロッパの歴史や文化は複雑で、本を数冊読めばOKという生易しいものではない。神話、宗教、文学、哲学、思想、政治、社会、民族、芸術・・・様々なものが絡み合って成り立っている。

遠く離れた日本のわたしたちにとっては完全に違う世界の話であり、自力で理解しようとするなら気の遠くなりそうな学習となる。

そのような世界に、比較的早いうちに興味を持ち、読める本から少しずつ読み始めていくのは良いこと。クラシック音楽はそのきっかけの1つ。

 

異文化理解、多民族共生を考える

欧米化が進んだと言っても、ヨーロッパ文化は今でも日本にとって異文化である。ヨーロッパの文化であるクラシック音楽の内容や背景を知ろうとする行為は、日本とは違う価値観や考え方を知ろうとする行為と同じと言える。違う文化を知ろうと努力することにより、自分の文化を客観的に見ることもできるようになる。

また、日本でも近年外国人が増えてきたが、ヨーロッパは多民族社会の先輩である。古くから民族同士が争い合い、多くの犠牲者を出してきた過去があり、多くの芸術家も巻き込まれて命を落とした。ヨーロッパは今も様々な問題を抱えている。ですから、良い例として見習うという意味ではなく、過去の悲劇を知り、同じことを繰り返さないようにする。それでも、辛い経験を乗り越えてきたヨーロッパには良い面も沢山あるので、そこはもちろん参考にすべき。

 

外国語に興味を持つ

何でも日本語で情報を得られることは幸運である。世界の小国の中には母国語での資料が限られている場合が多い。

それでも、クラシック音楽関連の情報を探していくと、いずれ情報の行き詰まりを感じる。こうして外国語の情報を読みたくなる。まずは英語で。それでも物足りなくなったらGoogle翻訳でさらに多言語を解読。

また、歌曲やオペラを鑑賞するようになると、イタリア語やドイツ語などのオリジナルの言語を知りたいし、原語で歌えるようになりたいと思う。こうなるとGoogle翻訳では対応できない。自ら学習しなければならない。

いずれにしろ、ヨーロッパの歴史文化と同じく、言語を学ぶというのも非常に根気の要る学習であり、クラシック音楽はそのモチベーションの1つ。

 

社会に興味を持つ

作曲家は、リラックスやエンタメのために作曲していたのではない。そういうタイプの曲ももちろんあるのだが、作曲家はもっと社会的な使命感をもってシリアスに作曲していた。世の中の悲しい出来事に心を痛めたり、激昂したり、悪くなっていく政治を間接的に批判する作品を作ったり。「気軽に聴きに来てください!」とコンサートチラシによく書かれているが、作曲家は気軽にではなく真剣に聴いて欲しいはず。

一時期、一部の国で表現の自由が大幅に制限されていたとき、作曲家は苦しい立場に陥った。本当にやりたいことをやらせてもらえず、自分の意志に反して政府に利用されることも。亡命した作曲家もいた。それだけ作曲家は社会と繋がりが強かった。

クラシック音楽は、そんな作曲家の想いに心を寄せながら当時のヨーロッパを知ると同時に、現代の社会(ヨーロッパ、日本に限らず、世界全体)にも関心を持つきっかけとなる。

 

生き方、人間を知る

作曲家のドラマチックな人生を調べるのもおもしろい。演奏家の人生も興味深い。作曲家や演奏家と違い、わたしは天才でも何でもないが、彼らを人生の先輩のように思っている。天才も凡人も同じように悩みを抱えながら生きている。

シリアスな話ばかりではない。時には作曲家や演奏家のユニークで個性的な人生を知りニヤリとする。 

 

 

子どもにクラシック音楽に興味を持ってもらうためには

 

「頭の良くなる・・・」

「リラックス・・・」

「はじめてクラシック・・・」

「子ども向け・・・」など、寄せ集めの曲を収録したCD・DVD・動画は避ける

このような音楽は無難な定番曲をランダムに並べただけであり、何度聴いても、曲に興味を持つことなく、永遠にBGMとして楽しむだけで終わってしまう。

交響曲第1番というのは、第1楽章、第2楽章、第3楽章、第4楽章すべて合わせて1曲なのに、寄せ集めCDでは第2楽章だけ、あるいは第1楽章だけなど、抜粋でしか聴けない。それは芸術の一部を切り取って継ぎ接ぎするようなもので、残念な聴き方である。

また、通常CDは1枚を通して同じ演奏者が演奏する。寄せ集めCDでは1曲ごとに演奏者が違うこともある。それでは演奏者に惚れ込むということは、あまり起こらないと思われる。演奏者に興味を持つことは、クラシック音楽そのものに興味を持つことの大きなきっかけの1つとなり得るのに、もったいない。

 

 

小さな希望

新しい時代の子どもたちに、わたしのような人間になって欲しくない。

大人になってからクラシック音楽に目覚めたスズキは中途半端なヨーロッパかぶれになってしまった。いまさら一生懸命勉強してもヨーロッパの歴史が断片的にしか頭に入らない。哲学に影響を受けた作曲家が多いのでもっと哲学を知りたいのに、頭が悪くて哲学書を読めない。オペラやドイツ歌曲を堪能するためにもドイツ語学習を継続しているが、成長なし。おまけに日本が居心地悪くてヨーロッパに逃げたいが、生活していく手段がないから日本で悶々と生きている。

 

新しい時代の子どもたちが、早いうちに異文化を知り、客観的に日本の良さも知り、バランスの取れた未来の地球人として生きていけますように。

未来が過去や現在より平和でありますように。

 

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