変わり者のための交響曲入門ガイド

たぶん、スタンダードな入門ガイドとは違うことを書いているので、普通の情報を求めている人には向かない記事でしょう。この記事に限らず、スズキブログの記事は少々視点がおかしいので、気をつけましょうね。

まずは論より証拠。スズキの好きな交響曲を2曲紹介します。

 

好きな曲 その1

シューベルト作曲
交響曲第8番(9番)ハ長調 D944「ザ・グレート」

フランツ・シューベルト

1797年~1828年 オーストリア

どんな曲?

作曲時期:1825~1826年

第1楽章 ハ長調
第2楽章 イ短調
第3楽章 ハ長調
第4楽章 ハ長調
演奏時間は約60分

諸事情から8番または9番と表記される。
通称「ザ・グレート」(ドイツ語なら Die große )

交響曲第8番 (シューベルト) - Wikipedia

 

演奏例(抜粋)


Schubert: Symphony No. 8 "Great" / Bychkov · Berliner Philharmoniker


Schubert: Symphony No. 8 "Great" / Rattle · Berliner Philharmoniker

 

演奏例(全曲)


Schubert: Große C-Dur-Sinfonie ∙ Andrés Orozco-Estrada

 

好きな理由

  • 初めて好きになった交響曲。
  • 初鑑賞は2008年の音楽祭だった。シューマンがこの曲を「天国的な長さ」と 言ったと書いてあった。演奏時間60分。クラシック音楽初心者だったわたしは「うわー・・・無理かも」と思ったのだが、結果として最初から最後まで快適に楽しんだ。長い曲への抵抗感が無くなったキッカケの曲。
  • その音楽祭で、この曲を2回聴いた。違うオーケストラ&指揮者による演奏だった。
  • その音楽祭ですぐにこの曲のCDを買った
  • シューベルトの死後、忘れ去られていた曲だったが、シューマンが「発見」して世の中に広まったというエピソード
  • 1番好きなのは第2楽章だけど、全楽章が好き。第2楽章はオーボエ、クラリネット、フルートが語り合うように交互に演奏するところが気に入っている。

 こちらの動画で第2楽章の一部が聴ける。


Schubert: Symphony No. 9 in C major 'Great', D 944 - BBC Proms

 

わたしはCDの聴き比べはあまりやらないので、この曲の所有CDは2008年の音楽祭のときに買った1枚のみ。音楽祭で演奏した指揮者&オーケストラによる録音。わたしにとっては、これ1枚で十分楽しめる。

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好きな曲 その2

ブルックナー作曲

交響曲第7番 ホ長調  

アントン・ブルックナー
1824年~1896年 オーストリア

どんな曲?

作曲時期:1881年~1883年
第1楽章 ホ長調
第2楽章 嬰ハ短調
第3楽章 イ短調
第4楽章 ホ長調
演奏時間は約65分

交響曲第7番 (ブルックナー) - Wikipedia

 

演奏例(抜粋)


Bruckner: Symphony No. 7 / Rattle · Berliner Philharmoniker


Bruckner: Symphony No. 7 / Celibidache · Berliner Philharmoniker

 

演奏例(全曲)


Bruckner: 7. Sinfonie ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Christoph Eschenbach

 

好きな理由

  • とにかくカッコイイ曲(笑)ドラマチックでオペラチックで。
  • 失業旅行ウィーンで鑑賞したという思い出
  • ウィーン旅の予習のために借りたCDを聴いたときから既に曲が好きだった
  • ウィーンで鑑賞後、指揮者ダニエル・バレンボイム氏からサインをもらったという思い出。しかも一緒に写真まで撮ってもらい。。。
  • 特に好きなのは第3楽章だが、全楽章が好き。第3楽章は上の全曲演奏動画では43分10秒頃から。ウィーンで聴いたときは、何とオーケストラと同じ舞台上の席だった!床と空気から直に伝わる音の振動、静かに冷静を保ちつつも膝を小刻みに動かしながらテンポを刻む周辺の聴衆たち、席からの視界は悪かったが演奏者の合間からたまに見えるバレンボイム氏のお顔・・・ああ、あの瞬間が蘇る(スズキ大興奮!)
  • ブルックナーは、心から尊敬する先輩作曲家ワーグナーが死を迎える中で、この曲の第2楽章を作曲したというエピソード

 

こちらの曲も所有CDは1枚のみ。もちろん、ウィーンで鑑賞後に偶然サイン会があったので、その場で購入したバレンボイム指揮、シュターツカペレ・ベルリンの演奏のCD。これ1枚で自分にとっては十分。

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スズキ的 交響曲との付き合い方

思い出も曲の一部

交響曲に限ったことではありませんが、曲との出会いその後の付き合いは曲の一部だとわたしは考えています。曲と共に育んできた思い出を大事にしたい。やみくもに、ひたすら、あらゆる曲を聴きまくるのは、わたしが好む鑑賞スタイルではありません。

とは言っても、受身で構えていてはなかなか曲とは出会えません。思い出作りのキッカケを自ら作っていきましょう。

旅先でたまたま演奏されていた曲、地元のコンサートで聴くことになった曲など。

旅やコンサートに行ける状況ではない?

では、こういうのはどうでしょう。憧れの人が「好き」と言っていた交響曲、テレビ番組で紹介されていた交響曲、好きなドラマや映画で流れていた交響曲。せっかく出会った曲なのですから、一部ではなく全体を聴いてみましょう。

 

辛い時期に出会った曲

幸せな時期によく聴いていた曲

そんな曲とは一生の付き合いになるでしょう。自分の人生の一部です。いま、ちょうこのブログ記事を読んでいる瞬間、辛くて仕方ない人、幸せすぎてどうしようもない人、何か強い感情を抱えているその瞬間に、その想いを音楽と共有しましょう。

「こんな雰囲気の曲を教えて欲しい」と、自分の好みを伝えて誰かに曲を提案してもらうといいでしょう。通勤、勉強、家事などの時間に何度も聴いてみましょう。または、コーヒーやお茶、あるいはお酒でも飲みながら聴いてみましょう。

自分の人生の一部として楽しむなら、5分ぐらいの歌謡曲を繰り返すのもいいけど、60分の交響曲を聴くのもアリだと思いませんか? 交響曲には、どっぷり身を任せられる包容力があると思います。

 

作曲の背景も曲の一部

これも交響曲に限りません。様々な曲の背景には様々な(ときにはおかしな?)エピソードがあります。上の2曲で紹介したとおり、今はその作曲家の代表的な曲の1つなのに忘れ去られていた時期があったとか、悲しみの中で書かれた曲とか。

グスタフ・マーラー (1860年~1911年 オーストリア) という作曲家がいます。彼は10曲目の交響曲を作曲したら死んでしまうかもしれないと思っていました。というのも、ベートーヴェン以降、多くの作曲家が交響曲を9曲作曲した後に亡くなっていたからです。

マーラーは考えました。交響曲とも言える作品を「交響曲第9番」ではなく「大地の歌」という名前を与えて完成させました。彼はその後、別途「交響曲第9番」を作曲し、「交響曲第10番」の作曲中に亡くなりました。

そうです。「大地の歌」を「交響曲第9番」としていれば、彼は交響曲全10曲完成させて、11曲目の作曲中に亡くなったということになったはずなのに、無理やり「大地の歌」という作品にしてしまったため、ベートーヴェン以降の多くの作曲家と同じく10曲目の交響曲を完成させずに世を去ることとなったのです。

そんなマーラーは今も交響曲の作曲家として大人気です。わたしも一時期は彼の交響曲を全部聴こうと張り切っていたのですが、残り3曲ぐらいで先に進まなくなってしまい・・・

オーケストラはよく「チクルス」(ツィクルス)というコンサートを企画します。例えば、数年かけてマーラーの交響曲を全曲演奏する「チクルス」、ベートーヴェンの交響曲を全曲演奏する「チクルス」など。マーラー交響曲チクルスは一時期そこらじゅうの日本のオーケストラがやっていたように思うけど、最近は見ない気がします。(ブームが終わったのかしら?)

マーラーは神経質な作曲家でしたが、作品は大規模でカッコイイです。聴き応えあります。演奏会では毎回お客さんたちが幸せそうに酔い痴れています。終演後、指揮者は何度も拍手に呼び出されて舞台に戻ってきます。そういう場面がよくみられるのがマーラーの交響曲です。合唱や独唱付き、オーケストラの規模も大きく、曲も長いです。どうですか? 聴いてみたいですか?!それなら是非!

 

全楽章が好き

交響曲は長いです。一部しか知らない、一部だけ好きな部分があるというだけでは最初から最後までずっと聴き続けるのは辛いかもしれません。

できることなら、最初から最後まで自分の好みに合う曲と出会えますように。

 

 

交響曲の世界が気に入ったら

お気づきかもしれませんが、スズキブログにはあまり交響曲の情報はありません。。他のブログか何かで興味をさらに追求していってください。(たまにはスズキブログにも遊びに来てね!)

あるいは、もう自己流で音楽鑑賞を楽しむことも可能です。以下は鑑賞のヒントです。

主な交響曲の作曲家

ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、メンデルスゾーン、シューマン、ブラームス、ブルックナー、シベリウス、マーラー、チャイコフスキー、プロコフィエフ、ラフマニノフ、ショスタコーヴィチ、エルガー、ドヴォルザーク、サン=サーンス・・・(他にいたかな?誰か忘れていないだろうか)

聴き比べ

様々な指揮者、オーケストラ、録音・公演時期の演奏を聴き比べ。自分が大好きな曲を、最高に魅力的に演奏してくれる人々を探す旅です。

ツィクルス

ある作曲家の交響曲を全曲聴く企画。作曲家の人生を眺める感じです。若かった頃の作品、誰かの影響を受けた頃の作品、家庭でいろいろあった頃の作品、社会の状況に心を痛めた頃の作品、晩年に死を意識して作曲した作品など。オーケストラが企画したり、CDレーベルが企画したり。あるいは自分なりにテーマを決めてテーマに沿って聴いていくこともできる。

楽譜

著作権切れの楽譜をネットで探す。あるいは市販の楽譜を購入する。楽譜を見ながらCD等を聴いて、作曲家の指示に対して演奏する側がどう応えているか、どのように解釈しているかなどについて分析。作曲家による自筆譜が残っているなら、それと一般的に使われている出版された楽譜や最近の演奏を比べてみるのも良い。

版の違い

同じ曲の楽譜が複数あるというケースがあります。作曲家本人による初稿と改訂版の違い、作曲家以外の人物が校訂したもの、その後さらに校訂したもの、作曲者の死により未完だった作品が複数の人によって補筆された場合・・・ 

版の違いと言えば、例えばブルックナー作曲の交響曲なら「ハース版」と「ノヴァーク版」などがあります。(わたしは全然詳しくないです。。)

 

交響曲の世界にはあまり馴染めないと思ったら・・・

ガッカリしないでください!

クラシック音楽=交響曲というわけではありません。アナタに向いているのは交響曲ではなく、弦楽四重奏曲かもしれません。

ピアノソナタかもしれません。

ドイツ歌曲かもしれません。

宗教合唱曲かもしれません。

イタリアオペラかもしれません。

ロシアのピアノ曲かもしれません。

フランスの室内楽曲かもしれません。

いろんな音楽がアナタと出会う日を首を長くして待っています。早く会いに行ってあげてください!

 

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