古楽ニュース 2019年6月

アナタは遺跡発掘調査を追ったドキュメンタリー番組を観たことあるだろうか?わずかな手がかりをヒントに古代の謎を解いていく。アレとコレを組み合わせて新たな説を組み立てる。そんな謎解きミステリー。

ドキドキ・ワクワクのミステリーなのだが「正解」がどこかに用意されているわけではない。

かゆいところに手が届かない。もどかしい。ロマンとはそういうものさ。

 

古楽もそんな世界だ。

遺された楽譜は一部紛失していることもある。

楽譜は完璧な状態で保存されているのに、どうやって演奏するのか現代人には分からないこともある。楽器が指定されていなかったり、現代の楽器では演奏不可能だったり。

そんな中で、その音楽が生まれたときと同じような演奏を可能な限り再現しようとする試みこそ古楽なのだ。

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謎解きをしながら、ヨーロッパの歴史に詳しくなっていく。音楽はもちろん、音楽以外の芸術文化にも興味が広がっていく。永遠に広がっていく喜びなのだ。ふふふ。

 

とは言っても、スズキは古楽の世界を語れるほど古楽に詳しくない。ごめんよ。古楽ファンの皆さんには、どこか別のサイトで古楽情報を収集していただきたい。

 

 

スズキ的古楽ニュース(不定期配信)2019年6月

 

指揮者のレオナルド・ガルシア・アラルコンと古楽グループのカペラ・メディテラネアが、またやった!!忘れ去られていた幻の作品を復活させたらしい!!

 

アラルコンとメディテラネアについては、以前スズキブログでも紹介した。

www.music-szk.com

先日、France MusiqueのYouTubeチャンネルで2時間20分の動画が公開された。あまりにも普通に投稿されたので、気付かなかった人も多いのでは? 投稿文を読むと、どうやらこの作品もアラルコンが時を越えて再現させたオペラらしい。

投稿文はフランス語なのだがGoogle翻訳で英語に変換して読んでみたところ、以下のことが読み取れた。

作品は1669年にイタリアの作曲家アントニオ・ドラーギがウィーンで作曲したオペラ「エル・プロメテオ」。台本はイタリア語でもドイツ語でもなく、なんとスペイン語!(アルゼンチン生まれの指揮者アラルコンの母語でもある!)

ウィーン生まれのスペイン王妃マリアナ・デ・アウストリアの誕生日パーティーのために作られた作品だそうだ。

ついでに、しばらくスペイン王家についてウィキペディアで調査してみた。

マリアナ・デ・アウストリア - Wikipedia

 

楽譜は序奏と第3幕が失われている状態。

アラルコンたちは、まだこの作品のCDを制作していないようだ。アマゾンで検索しても出てこない。それどころか、作曲家ドラーギのウィキペディアには夥しい数の作品がリスト化されているが、そこにこの作品は入っていない。これまで、この作品の存在は、ほとんど忘れられていたということなのだろう。

Antonio Draghi - Wikipedia

オペラのタイトル、プロメテオ(プロメテウス)はギリシャ神話の神の一人。プロメテウスはゼウスを騙した。怒ったゼウスは人類から火を取り上げた。火を失った人類をかわいそうに思ってプロメテウスは火を人類にあげるのだけど、またゼウスが怒って・・・(ああ、ギリシャ神話。。やっぱりまだギリシャ神話が苦手。)

アラルコンたちのオペラ上演のために演出を手がけた人物は、悲しいことに上演を観る事なく、亡くなってしまったそうだ。調べてみるとアラルコンと同じアルゼンチン出身の演出家だった。

さあ、皆さんも動画をご覧ください!せっかく無料公開されているのだから!

・・・と言いたいのだが、オペラの上演言語はスペイン語で、字幕はフランス語。

キビシイ!じつにキビシイ!

音楽に言葉の壁など無いと叫ぶ人たちは気楽でいいなぁ。壁だらけだというのに。とほほ。

半分ぐらい観た。何もないよりは、フランス語字幕も少しは役に立つ。後日じっくり鑑賞したい。

なので、今の時点では作品の内容をわたしは全然把握していない。。


"El Prometeo" d'Antonio Draghi & Leonardo García Alarcón (Cappella Mediterranea & Choeur de Chamb...

 

2019年7月1日追記

このEl Prometeo350年ぶりの上演の動画を最後まで観た。

ギラギラ熱く印象的な強い歌声ばかり。一人ひとりが魅力的な歌手。熱い歌、演技、演奏。みんな気合いが入りすぎて少々恐いぐらい。。フランス語字幕なので、内容がほんの僅かしか分からず、残念な鑑賞だったが、それでも飽きずに最後まで堪能した。 

テキスト(原語スペイン語+英語対訳)のブックレット付きのCDが発売されますように。わたしもスペイン語で歌いたい!!!

誰か、彼らを日本に呼んでください!!!

 

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クリスティナ・プルハルと古楽グループのラルペッジャータが、来年2020年にテノール歌手のロランド・ヴィラゾンと、モンテヴェルディのオペラ「オルフェオ」を演奏するみたいよ!!(←ヨーロッパで)

プルハルとラルペッジャータについても、以前スズキブログで取り上げた。テオルボ(柄の長い弦楽器)を演奏するプルハルと、彼女の仲間たち。過去の協演歌手の一人はカウンターテノールのジャルスキー。歌手たちと一緒にバロック音楽などを演奏している。真面目な音楽なのだけど、たまに少々軽いエンタメ的な部分もあり、皆さんのすてきな人柄が見えて、ついついファンになってしまう。そんな古楽集団。

www.music-szk.com

 ヴィラゾンについても過去記事で取り上げた。オペラ歌手なのだが、カメラの前ではまるでコメディアンのような人(笑)。最近はドビュッシーのオペラ「ペレアスとメリザンド」でペレアス役デビューしたそうだ。彼のような主にヴェルディなどのロマン派オペラを歌う歌手が古楽アンサンブルと協演することは珍しいと思う。

www.music-szk.com

オルフェオ(オルフェウス)というのもまたギリシャ神話の登場人物。死んだ妻をこの世に連れ戻すことに成功する直前に掟を破ってしまい、妻と二度と会えないことになってしまったという吟遊詩人オルフェオさんの物語。音楽や絵画の題材としてもよく使われる芸術世界の人気者。

わたしはてっきりグルック作曲のオペラを演奏するのだろうと思っていたのだが、よくよく見るとモンテヴェルディ作曲と書いてある。どんな作品かというのはわたしはまだよく知らないのだが・・・

 

プルハル率いる古楽アンサンブルとテノール歌手ヴィラゾンが一緒に何かやる?

え?なんでだろう・・・?(笑)

どういうご縁?!

 

この組み合わせなら、オペラより普通のコンサートの方が盛り上がりそうだ。それなのに、オペラをやるのか。

 

まあ、いいか。何はともあれ面白そうではないか。

www.instagram.com

ヴィラゾン氏インスタのアナウンスによると、来年5月にオーストリアとドイツ、そしてパリで演奏するとのこと。

なので、ぜひとも日本の音楽イベント企画者の皆さんには、彼らにヨーロッパツアーを終えたタイミングで日本に来てもらえるように交渉していただきたい(笑)

ナイスアイデアだと思っていただけるなら、ぜひぜひお願いします。

しっかり予習して鑑賞するから!

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