好奇心旺盛な人間はアルゴリズムが嫌い・・・

アルゴリズムって何?

「アルゴリズム」の解説を読んだが、わたしにはよく分からない。ITの専門家ではないので仕方ない。以下は素人の感覚であり、素人の意見である。真に受けてはいけない。

わたしが、今ここで取り上げたい「アルゴリズム」は、FacebookやTwitterなどのSNSで、どの投稿を優先的に表示するかという仕組みのこと。

具体的に言えば、他のユーザーに人気の投稿や自分自身が過去に何らかのリアクション(いいね!やコメントなど)をした投稿、また、それらに関する情報などを優先的に表示すること。

この仕組みにより、つまらない内容の投稿が人の目に触れることは少なくなった。自分のアカウントにアクセスすると、自分好みの情報やみんなに人気の情報が次々に出てくる。

アルゴリズムはYouTubeやAmazonなどでも使われている。過去の利用に合わせて一人ひとりにオススメを表示する仕組み。自分で検索しなくても、観たい動画や欲しい商品が勝手に画面に出てくる便利なレコメンド機能もアルゴリズムの一種。


アルゴリズムは人の視野を狭くする

ほとんどの人間は、自分好みの情報に囲まれることを「気持ち良い」と感じるのだろう。

ところが、好奇心旺盛な人間にとっては、新鮮味のない、似たような情報ばかり表示されるのは、むしろ「気持ち悪い」のだ。

ここ数年で格段にSNSがつまらなくなった。スズキのような空気読まない変人の投稿はほとんど誰の目にも触れることなく無視される。

一方で、ウケ狙いのくだらない情報や、ついつい攻撃したくなる情報、みんなが共感できるふつうの情報、そんなものばかりがもてはやされる。まるでテレビの世界だ。わたしの大嫌いな世界だ。少数派意見が無視される社会が良い社会なはずない。

同質の仲間たちと集うことに慣れてしまった人々は、ますます閉鎖的になって、外のものに興味を示さない。たまに話す機会があっても、好奇心を出しまくりのスズキとは、まったく話が噛み合わない。世の中はつまらない人間ばかりになってしまった。

ネットビジネスの世界も同様につまらない。企業は一人ひとりに合わせてカスタマイズした情報を届けることに夢中だ。でも、そうすることで、退屈してしまう人間がいることにそろそろ気づくべきだ。アナタたちはわたしの好奇心を全然刺激してくれない。


アルゴリズムが低レベルでつまらない

アルゴリズムはユーザーの好みを判断して「オススメ」を提供してくれる。頼んでもいないのに、勝手に情報を選んで一方的に押し付けている。恐ろしいことだ。わたしを洗脳するつもりか。

でも、わたしが洗脳されることはない。アルゴリズムによる情報の選び方は稚拙すぎるので、わたしにとっては全然おもしろくない。知らないことを知りたい、自分の視野を広げたいと思う人間にとっては、アルゴリズムは邪魔でしかない。想定範囲内のありきたりな情報ばかり。できるだけ無視するしかない。

自分でも探せるような情報をわざわざ自動表示させて「あなたの好きそうな情報を探してあげました!」とドヤ顔されても、まったく嬉しくない。少しぐらいわたしの好奇心を刺激してみろ。感動させてみろ。

たとえばYouTubeでは、わたしの過去の視聴記録などをベースにオススメを表示する。クラシック音楽の演奏動画を再生するとき、わたしは嫌な気分になる。きっとこれから、同じ作曲家、同じ曲、同じ演奏者、同じチャンネル、あるいは同じ動画を観た人が再生した別の動画などをオススメしてくるくるのだろう。似たような動画ばかり目立つところに出てきて、おもしろくない。自分が観たいときに自分で探すから、そんな表示いらない。

結局のところ、好奇心旺盛な人間は、今でも本に頼る。それから、お気に入りのサイトなどに1つずつアクセスして情報収集する。そうして欲求不満を解消する。本やサイトから気になるキーワードを自分で見つけて、手動でGoogle検索する。あるいはYouTubeで検索する。アナログな作業で面倒だが仕方ない。黙っていても自動で自分を楽しませてくれる情報が沸いてくるということは、まだまだ技術的に不可能なのだろう。

Google検索もまたアルゴリズムの問題を抱えた機能だ。本来、良質のサイトを上位に表示するためのアルゴリズムなのだが、質の良いサイトでなくても、SEO対策を実施すれば検索結果の上位に表示される。SEO対策とは、検索結果の上位に表示してもらうためのテクニック。オフィシャルサイトより上に低質な「まとめサイト」が来てしまうということもある。また、オリジナルな内容のサイトより、概要をまとめただけのサイトばかり上位にズラリと並ぶ。言うまでもないが、どのサイトも内容はそれぞれほとんど同じ。

それでも、検索はSNSのフィードやサイトのレコメンド機能よりはまともだ。検索なら、自分で自由にキーワードを設定して、自分が好きなタイミングで好きな情報を取得できる。勝手に選んで一方的に情報を表示するSNSよりは良い。

アルゴリズムがインターネットをつまらなくしている。わたしのパソコンからアルゴリズムを完全に排除して欲しいが、もうそこらじゅうにアルゴリズムが蔓延しているのでわたしの力ではどうにもできない。個々のユーザーに向けて個別に最適な情報を送るために、あらゆるサイトが日々努力している。ああ、くだらない。やめてくれ。

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アルゴリズムに期待したいこと

アルゴリズムよ、わたし自身さえまだ知らないわたしの興味分野を発掘してくれ。それぐらいアルゴリズムに賢くなってもらわないと、わたしは感動しない。

「潜在的なファンにアプローチしたい!」と考えている人は多いはず。似たようなものを紹介するだけのレコメンド機能のような単純なシステムではなく、遠くにいる潜在的なファンを見出すことの方が間違いなく感動的なのだ。情報を提供する側も受け取る側も、その組み合わせの意外性に驚くぐらい新鮮な体験を届けてもらえないか。それこそアルゴリズムに実現して欲しいことだ。


1つ例を挙げよう。

 

スズキがロマネスク美術と出会ったきっかけ

ご覧なさい!

こんなに必死に踏ん張っているアトラスさんの表情を!

なんという感動的なお姿!!

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2017年12月、音楽旅の旅先として初めてイタリアに降り立ったスズキは、ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」がある教会の前を素通りして、アトラスさんがいる教会に向かった。ミラノに行く機会があったら、アナタもぜひアトラスさんに会いに行くべきだ。観光客はほんの数人。たっぷりご堪能いただきたい。

goo.gl

この教会とアトラスさんを知ったきっかけは旅行前の下調べとして読んだ本だった。

(画像クリック→Amazon)

 

一瞬で人々を魅了する奇妙な表情と体勢の人間、動物、キリスト教の聖人たち、ギリシャ神話の神々(←アトラスさんも)などの彫刻、壁画、教会内の内装、祭壇、ドア装飾などはロマネスク美術である。時代は11~12世紀。イタリア、フランスなどを中心にヨーロッパ各地で見られた。

ああ、ロマネスク美術。あの愉快すぎる絵や彫刻を、誰かに商品化していただけないだろうか。エコバッグとかあればいいなぁ。スマホケースとか。Tシャツにも向いている。あの「ブランコの乗り」のTシャツとかトレーナーとか。アクセサリーも「あり」でしょう。アトラスさんのペンダントとか、いかがかしら?

著者の1人、金沢百枝さんの別の本を今読んでいる。

(画像クリック→Amazon)

彼女の文章を読んでいると、ときどき旅人としての金沢さんが顔を出す。ロマネスク美術と出会うためにウキウキワクワクしながらヨーロッパ各地の田舎の交通不便な場所にある教会などを訪ねたのだろうなと、読みながらニヤけてしまう。ああ、わたしもまた旅に出たい。

ふふん。きっと、人生に退屈して死にそうなわたしを楽しませてくれるのはアルゴリズム開発者ではなく、文系研究者なのだろう。

音楽好きのスズキは音楽を追いかけていたら、偶然ロマネスク美術と出会ったのだ。

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アルゴリズムはスズキにロマネスク美術を紹介できるだろうか?

上の図をご覧いただきたい。スズキからロマネスク美術までは少し遠い。

でも、スズキとロマネスク美術を結び付けることは、まったく不可能ということもないはずだ。

アルゴリズムは、スズキにロマネスク美術の写真や本を提示して「もしかして、あなた、これが好きですか?」と提案してくれるだろうか?

いや、いまのところ無理だ。

現時点のアルゴリズムは、上の図で言えば、隣り合わせの領域にあるものぐらいしか提案できていない。

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(ウィキペディアより Burlesque Violinist by Jacques Callot 1592-1635)

こちらの絵を覚えているだろうか?好きなピアニストのCDで紹介されていたバロック時代のフランスの版画だ。作者はジャック・カロ。まるでドラゴンボールに出てきそうなキャラクターでしょ? 実はスズキ、かなり気に入っているのだ。

ロマネスク美術とは時代も雰囲気も違う。でも、やや無理やりかもしれないが、ジャック・カロが好きな人の中に、ロマネスク美術にも興味を示すという人がけっこういるのでは? 少々風変わりな作風に魅了されてしまう人たちなら両方おもしろいと思うのでは?

それなら、「ジャック・カロが気になる」と発言したスズキに、ロマネスク美術をオススメしてみるというアルゴリズムを作り出せないのだろうか?

思ってもみなかった提案を受けると、新鮮な気分になる。驚きも大きい。感動さえ覚える。水を得た魚のように、あっという間に夢中になってしまう・・・かもしれない。もちろん読みが外れて興味を持ってもらえない可能性も高い。でも、ドンピシャリだったときの喜びがどれほど大きいか、想像してみていただきたい。

アルゴリズムにはそれぐらいのレベルで情報を選んで提案して欲しい。

 

クラシック音楽の世界に人を巻き込みたいスズキとしては、わたしとロマネスク美術ぐらいの距離感のところにいる、潜在的なクラシック音楽ファンに、音楽の世界を紹介したい。クラシック音楽まで「もう1歩」の人だけでなく、「あと10歩」ぐらいの人にアプローチしたい。

 

さいごに
ついでだが、わたしを楽しませてくれそうな研究をしてくれる文系研究者と、そんな楽しい研究成果とわたしを結びつける技術を開発してくれる(かもしれない)理系研究者、アルゴリズム開発者のみなさん、それぞれ引き続きがんばってくださいね。

よろしく。

世の中を少しおもしろくしてください。

 

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