クラシック音楽コンサート 一緒に行く人がいないなら1人で行こう!

「コンサートに行きたいけど、一緒に行く人がいないから」という発言に驚いたことが何度もある。

なぜなら、わたしにとって、コンサートは基本的に1人で行くところだ。

 

(似たような例だが「旅行に行きたいけど一緒に行ってくれる人が見つからない」というのも、聞いて驚く。それなら1人で行けばいいじゃん。何が問題なのだろうか。さびしい? 甘えん坊の幼児かい・・・)

 

1人で行くことに抵抗があるという人は、主に女性なのだろう。さらに言えば、例えば実家の母のような人、つまり女性が1人で行動することが珍しかった時代を引きずっている人々なのだろう。

あとは、バブル期に青春時代を謳歌した女性たちも1人でコンサートなんてありえないと思うのかもしれない。当時は高額のコンサートも高級ディナーも高級ホテルも誰かが連れて行ってくれたのだったのだろう。わたしはそんな時代を知らない。

別にいいさ。芸術の価値もわからないくせにバブルに浮かれただけのアホな人とコンサートに行っても死ぬほどつまらないに決まっている。

 

余談だが、1人でコンサートに行くことに抵抗がある人といえば、フランスの一部の高齢男性もそうなのかもしれないと、2012年パリ旅のときに思った。隣に女性がいないと格好がつかないらしい。(しょうもないなぁ・・・笑)

 

日本に話を戻そう。 「一緒に行く人がいない」とわたしに言ってくる場合は、「一緒に行って欲しい」と、遠回しにわたしを誘っているのかもしれない。ちょっと困る。わたしは自分が行きたいコンサートだけに行きたい。どのコンサートに行くかは、わたしが独断で決める。

音楽は、人間の短い人生の限られた時間と限られた資金の中で楽しむものなのだから、お付き合いなどのために義務として行くより、自分が本当に聴きたい音楽を自分の意思で選んで鑑賞する方が良いと思う。

誰かと一緒に音楽を楽しむことを否定しているのではない。同じコンサートに興味を持って、一緒に行くことになったら、それはそれで楽しい。ほとんど常に単独行動のスズキだって、たまには誰かと一緒に音楽を楽しんでいる。

ただ、必死になって一緒に行く人を探したり、あまり乗り気ではない人に無理やり一緒に行ってもらうぐらいなら、思い切って1人で行くべきだと思う。本当に聴きたいコンサートであれば、ぜひともそうして欲しい。

無理やり誘われた人は、ますますクラシック音楽が嫌いになってしまうかもしれない。もちろん、逆に「案外クラシックいいかも!」と思ってくれる場合もあるけど。それでも、少しでも興味を持てるようになったときに聴いてもらう方が良いかなと・・・

一方で、演目や出演者そのものには大して興味なく、ただ「誰かと一緒に何かしたい」(リア充アピール?)というだけの目的なら、コンサートは諦めよう。どうせ音楽への想いはその程度なのだろうから。周りの人間の好みに合わせて別の企画を提案すればいい。

「キズナ」とか「ツナガリ」より、音楽そのもののほうが、わたしにとっては大事なのだ。だから、当然1人でコンサートに行く。誰と行くかということより、何を聴くかということのほうが何倍も大事なのだ。

絆社会を推進する世の中は嫌いだ。「絆」と書いて「クサリ」と読む。それは重苦しい世界。まるで中世の続きみたいだ。社会に必要なのは、重苦しい強いキズナより、ゆるい繋がりだと、わたしは思う。バラバラに生きる人々がたまに少しだけ交流する。バラバラだからこそ新鮮で刺激のある情報交換ができる。それがわたしの理想の世界なのだが・・・

 

やや脱線してしまったが、今回は、一緒に行く人がいないからクラシック音楽コンサートに行くことを諦めているアナタが1人でコンサートに行けるように、アナタを応援する記事を書きたい。

 

こんな人にオススメ

若い人なら1人でもOKとか、男性ならOKということはない。老若男女、誰でも1人でクラシック音楽を聴きに行くことができる。ホール内を1人で歩いていても、本人が心配するほど違和感はない。(というか、音楽ファンはみんな自分のことや音楽に夢中で、他の客にはそれほど関心がない 笑)

個人的に特にオススメしたい人は、今までずっとグループで行動だったけど、そろそろ「お1人様デビュー」してみたいという人。1人で何か挑戦してみたいけど、まだ1人行動に慣れていなくて少し心配な人。クラシック音楽コンサートは基本的に2時間。そのうちのほとんどは音楽を聴いている時間。1人旅、1人外食よりは実行し易いと思われる。(でも、1人旅、1人外食も簡単ですよ~!)

 

プチ引きこもりな人の気分転換にもオススメしたい。クラシック音楽コンサートの会場では、最低限のマナーさえ守っていれば、誰もアナタに無理やり近づいて来たりしません。良くも悪くも個人主義な場所。その演奏を気に入るかどうかも自分次第。客席みんなで一つになって応援する・・・という雰囲気ではない。それぞれ自分の世界に浸りながら音楽を楽しむ。いつも家にこもっているけど、そろそろ外に出たい。でも面倒なやりとりは避けたい。疲れるところはイヤ。そんなアナタにコンサート鑑賞を検討していただきたい。

すごく引きこもりな人にも本当はオススメしたい。すでにクラシック音楽がお好きな人もいるでしょう。でも、そうではない人にとっては、クラシック音楽など優雅でオシャレな世界で、ウザイと思われているかもしれない。

わたしはクラシックは優雅な音楽とは思わない。背景を知れば、暗いヨーロッパの歴史がどんどん見えてくる。人生の息苦しさ、社会の矛盾、ドロドロ人間臭い、キレイごとではない世界。特にオペラや歌曲はそんな世界がもろに出ている。決して優等生的な内容ではない。絶望感まみれ。あからさまな「死にたい願望」も頻繁に歌われる。(現代のポップス歌手が歌うと社会問題になるだろうね・・・) しかも本当に最後に死んでしまうという詩もある。生きていく場合も、辛いけど前向きにがんばっていこうという内容より、開き直って皮肉も恨みもたっぷり抱えたまま生きていく感じが多い。「いい子ちゃん」ではない。だから、わたしはクラシック音楽を信仰している。

すぐには無理かもしれないけど、すごく引きこもっているアナタが、クラシック音楽と出会って、いつか生演奏でクラシック音楽を聴く日が来ますように。

人と合わせるのが面倒だと感じている人も、1人で行くと良い。誰かと一緒に行くとなると、お互い空いている日時を調整するのも面倒だし、都合により本当に行きたかったコンサートは諦めて別のコンサートに行くことになってしまうかもしれない。

スズキさんのように、絆社会というのを面倒だと感じている人も、1人で楽しんで解放感を味わおう。

そして、言うまでもないが、誰にも邪魔されずに音楽に没頭したい人は1人でコンサートに行くと幸せな気分になれるでしょう。同行者が楽しんでいるかどうかを気にする必要はないし、演奏も自分の感じるままに感じ取れば良い。どうしても集団行動に馴染みすぎている日本人は、感想まで周囲に合わせようとしてしまったり、自分の感想で相手を不快にさせないかということまで気にしてしまったり。1人なら、誰にも遠慮は要らない。

それに、1人なら、大事なコンサートの直前に余計な話で気分を害することもない。昨日見たお笑い番組の話、今朝こどもが発したオモシロ発言、入院している親戚の近状・・・大事なコミュニケーションかもしれないが、気合い入れて鑑賞しようと思っていたコンサートの直前、休憩、直後には聞きたくない。

 

1人で鑑賞 良い点

前述のとおり、同行者に気を遣う必要がないので、1人で鑑賞するときは、より音楽に集中できる。

スズキブログを読んでクラシック音楽に興味持った人は、仲間とワイワイ楽しみたくてクラシック音楽に関心を持ったというわけではないはず。雰囲気だけを楽しみたいのでもないはず。日常に退屈しすぎて 見知らぬ知的な世界に足を踏み入れたくて ここにたどりついたはず。

それなら堂々と1人で楽しもう。1人だからこそ、最大限妄想力を発揮できる。

また、誰かと一緒に行く場合は相手の音楽の好みや予定を考慮しなければならないが、1人で行くなら、自分好みのコンサートを選ぶことが可能。珍しい作品の演奏など、マニアックなコンサートも行き放題。

 

1人でクラシック音楽コンサートに行く人は沢山いる

1人でいることが恥ずかしいと思っていると、カップルやグループばかり目につく。気にすることはない。10年以上国内外でクラシック音楽コンサートに通っているスズキは知っている。基本的にどこでも一定数のお1人様が存在する。だから、アナタ1人ではない。(例外は独り者をほとんど見かけなかったチェコでのオペラ&コンサート鑑賞ぐらい・・・)

国内で言えば、地方より東京の方がお1人様率が高いように思う。東京ではたくさんコンサートが催されている。全部行くことはできない。音楽ファンはそれぞれ自分が行くべきコンサートを選ぶ。結果として、誰かと一緒に行くことは難しくなる。一方で、1人で行ったら、友達も1人で来ていたから休憩時間におしゃべりを楽しんだというパターンもある。

地方はお1人様はやや少ないように感じるが、1人で行ってもわたしはそれほど違和感を感じなかった。

ヨーロッパはどこに行くにもパートナー同伴が一般的という文化であり、コンサート会場でのカップル率は高い。もともとオペラやコンサート会場は昔のヨーロッパの人々にとっては社交の場だったので、その名残なのかもしれない。でも、少ないと言えば少ないが、一定数の1人客もいる。1人好きの人、何らかの事情で1人で来ることになった人、出張や1人旅のついでに来た人など。わたしはヨーロッパでも1人で鑑賞することが多いが、特に問題なく鑑賞を楽しんでいる。

気になるかもしれないが、気にすることはない。

 

とは言っても、昔も今も未来もずっと単独行動のスズキは「1人行動が苦手な人」の気持ちを理解できていない。「気にするな」と言われても、気になるのかな・・・? そこで、1人で楽しむためのヒントを考えてみた。

 

1人でクラシック音楽コンサートを楽しむコツ

自分にとって最適な席を選ぼう。通路側のほうが気分的に落ち着く人、奥の方が好きな人、好みは人それぞれ。座席指定を利用しよう。自由席なら、早めに会場入りしてベストなポジションを狙おう。

本当に聴きたいコンサートを選ぼう。もし、特に希望するコンサートがなくて、適当なものを選ぶ場合は、メジャーな演奏家・演奏団体のコンサートが良いと思う。あまり名前の知られていない人のコンサートは避けた方が良いかもしれない。そのようなコンサートに来るのは演奏者本人の友人、親戚、関係者ばかりなので、客同士が知り合いばかりだったりする。場違いなところに来てしまったような気がしてしまうかも。1人でコンサートに行くのが不安という人には向いていない。(でも、1人でコンサートに行くことに抵抗がない人は遠慮なく無名の演奏家の演奏を聴きに行って、知られざる演奏家を発掘しよう!)

【ご参考】コンサートチケットの探し方

www.music-szk.com

休憩時間の過ごし方を考えよう。1人でいることが苦手な人にとっては休憩時間が辛いのかもしれない。過ごし方のアイデアとしては、座席やロビーで本を読む。あるいは、イヤホンで音楽を聴く。せっかく生の音を聴きに来ているので、わたしはホール内でイヤホンを通して音楽を聴くことはしないが、時間をつぶしたい人にとっては手っ取り早い方法なので、検討してみると良い。トイレに行って、カウンターで飲み物を注文して、プログラムを読みながらドリンクを楽しむ・・・それで20分ぐらいすぐに過ぎてしまう。きっと大丈夫。

仕事で来ているという設定にしてしまうのはどうだろう? 妄想で。実はライターとして、今日のコンサートについて執筆依頼があったので来ている。実は音楽事務所のスタッフで、新人発掘のために来ている。実はCDレーベルの社員で今度の録音企画のための情報収集として来ている。仕事だから、1人で来ている。チームメンバーは忙しくて来られなかったから、わたしがみんなを代表して聴きに来た。などなど。 

1人で来ているのを知り合いに知られたくない場合は、別の町のコンサートに行くしかない。ぜひ旅行のついでに、そこでコンサートを鑑賞してみよう。東京なら様々なクラシック音楽コンサートから選べる。地方都市の一部でも週末を中心に週に数回程度の演奏がある。地元客と一緒にコンサートを聴くというのは、旅の良い思い出にもなる。旅先のコンサート会場で知り合いにばったり会うということは、滅多にないでしょう。

 

感動を共有したいときは・・・

たまに、自分の席の周辺の人々が大感動していることがある。その様子を見ると、友達でも何でもないけど、わたしも嬉しくなる。泣けるほどに嬉しい。その場にいるだけで十分、よろこびを共有していると思う。

それでもむなしさを感じるなら、ブログやツイッターで感想を書けばいい。わたしは旧ブログ時代にオフ会などで他のクラシック音楽ファンと交流したこともある。むかしのクラオタたちはどうやって感動を共有していたのだろう。人の紹介で繋がっていくしかなかったのだろう。いまはネットで繋がることができる。

 

 

繰り返しになるが、誰かと一緒に行くということを否定しているのではない。音楽を共有できる相手がいることはもちろんすばらしいこと。ただし、ただ友達だから、家族だから、パートナーだからという理由で同行することにはあまり意味がないように思う。相手が行ってみたいと思ったときにこそ一緒に行くと良い。

音楽やコンサートの話をすると、反射的に「行ってみたい!」「連れて行って!」と言う人がいるが、それは信用しない方が良いと思う。そんなときは、一旦、社交辞令として「じゃあ、行こうね」と言って流す。

もし、その人が本当に行きたければ、引き続き具体的に日程や演目について話を進めてくるはず。それなら、きっと本当に行ってみたいのだろう。ぜひ一緒に行ってあげよう。そのコンサートがきっかけでその人の世界が広がるかもしれない。楽しみだ。

また、「一緒に行きたい」「連れて行って」と言われたわけではないけど、あるコンサートが内容的に「○○さんが興味持つかもしれない」と思ったら、どうするか? 思い切って誘ってみてはいかがでしょうか? 無理にではなく、断る余地も与えながら、提案してみよう。興味があれば、一緒にどうかという、ゆるい感じで誘うのが良いでしょう。それがきっかけで、○○さんの世界が広がっていったら、嬉しいものね。

逆に、「一緒に行こうよ」と誘われたらどうするか。興味あるコンサートなら行く。そうでなかったら「ピアノは好きだけどオペラはちょっと。・・」などのように具体的な事情を添えてはっきり断るか、あるいは、すでに予定があるからと言って断る。

 

多くの人にとって、コンサートは人と会うための口実なのかもしれない。でも、クラオタとしては、音楽そのものに興味を持ってもらいたい。会うためのオマケ的なイベントではなく、音楽こそが目的であって欲しい。クラシック音楽はBGMではないし、ヒーリング専用でもない。

無理やり行くと、せっかくの音楽も「つまらない」と思われてしまうかもしれない。とくにオペラなど、無理やり行っても「よくわからないけど、なんとなく凄かった」という程度の感想で終わってしまい、そこでオペラ鑑賞経験は終わってしまう。それは、クラシック音楽に限らないのだろう。どんなジャンルの音楽であれ、興味を持ったときに聴くべき。

 

クラシック音楽の世界は個人主義だとわたしは思う。どんな演奏であれ、どんな演奏者、作曲家、作品であれ、好きかどうかは自分の感覚で決める。一人ひとり好みが違うということを尊重することが大事。演奏場所が社交の場だったむかしとは違い、いまのコンサートは個人が楽しむ場所。だから、単独行動との相性は良い。

つまり、アナタがどんな形でクラシック音楽コンサートお1人様デビューをしても、誰もアナタを笑ったりしない。安心していただきたい。

それでも心配なら、遠くから音楽好きのスズキがこっそりアナタを応援していることを思い出していただければと・・・(え?キモチワルイですって?失礼な。。)

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