日本のクラシック音楽公演の残念なところを4つ挙げてみた

ネガティブ人間スズキらしく、ネガティブな内容の記事を書こう。

 

日本のクラシック音楽公演の残念なところ(スズキ編)

1.東京一極集中

公演の数、オーケストラの数、ホールの数において、東京は世界一かもしれない。当たり前のように毎日複数の公演がある。東京を拠点に鑑賞活動する我々は、自分好みのものを多くの選択肢の中から選んで聴くというスタイルに慣れきっている。

クラシック音楽の本場ヨーロッパの都市なら、東京以上にコンサートがあると思って調べてみると、案外少なくてガッカリしてしまう。音楽の本場かどうかという問題ではなく、そもそも東京はヨーロッパの諸都市と比べて巨大過ぎるのだ。

一方で、ヨーロッパは飛行機で1~2時間あるいは鉄道で数時間移動するだけで、ヨーロッパ各地の都市の公演を楽しめる。パリからウィーン、ベルリンからロンドン、ミラノからチューリヒ、ミュンヘンからプラハ・・・ 現地の皆さんは週末はのんびり過ごす派なのだろうけど、スズキが現地在住なら毎週末ヨーロッパ各地に出かけていくだろう。(経済的に可能なら・・・)

日本でも飛行機や新幹線などで国内の他の都市に行くことは可能だが、公演数、オーケストラ数、ホール数などは、どこに行っても東京の数分の1で、東京と比べると極端に少ない。来日公演の場合は、東京と同じプログラムを他都市でも演奏することもある。わざわざ旅する必要はない。東京の人は東京で聴けば良い。

過去記事の通り、わたしはそれなりに国内でも音楽旅を楽しんでいる。でも、よだれが垂れそうなほど魅力的な公演を繰り広げる都市が無数にあるヨーロッパと比べると、どうしても日本は東京にばかりクラシック音楽公演が過集中しているという印象を持ってしまう。

東京だけズルイよね。

日本各地で、マニアックな魅力たっぷりの公演が、毎日いくつも開催されていればいいのに。

ああ、それにしても、ヨーロッパではほんの1時間の移動で言語も文化も違うところに行けるなんて、全国どこに行っても大して差がない日本在住の人間にとっては羨ましすぎる。日本つまらん。

 

2.毎年同じアーティストばかり来日

数年前、「○年ぶりにピアニストの○○○○が日本でリサイタル!」というファン大興奮の公演があった。 公演は大成功で、ファンみんな大喜びだった。

ところが、チケットが売れるということを確信した国内のあらゆる音楽企画者たちが、それ以後、ほとんど毎年そのピアニストを日本に招くようになった。年に数回くることもある。そのピアニストはあっという間に来日常連となってしまった。

一方で、来ない人は全然日本に来ない。わたしが度々話題に挙げるヘルベルト・シュフも全然来日が無い。それに、ヨーロッパのコンサート情報やYouTube動画を見ると、日本に来ているアーティストは、ヨーロッパで活躍するアーティストのうち、ほんの一部だけということがよく分かる。日本ではあまり知られていない演奏家がたくさんいるのに、毎年同じような人たちばかり来日する状況を、いつも残念に思う。

コンサートの興行主にとってはチケットの売れ行きは死活問題。売れるという確信がないと海外の演奏家を招くのは難しいのだろう。我々鑑賞者側も知らない演奏家の名前には慎重になってしまうのも問題なのだろう。

個人的には、まだ日本に来ていないアーティストや滅多に来ないアーティストに日本に来ていただきたい。

そのときは、上手に宣伝してくださいね。

「本当にすごいから」「絶対聴かなきゃ損」という在り来たりなアピールではなく、説得力のある紹介をしてください。万人受けを狙うのではなく、特定のターゲットを想定してアピールするのが良いのでは?頑張ってくださいね。(他人事?笑)

 

3.オペラ公演が少ない

スズキの近年の興味対象の中でオペラは重要な位置にある。

前述の通り、東京はクラシック音楽の公演数もホール数も世界一かもしれないのに、オペラの公演だけはヨーロッパの主要都市と比べると少ない。

たとえば東京に1週間滞在するとしよう。オペラを鑑賞できるかどうかは運次第。ラッキーならオペラ1作品を鑑賞できるだろう。1つも鑑賞できない可能性もある。

ヨーロッパの主要都市なら、バカンス休業シーズンを除き、1週間の間に確実に1作品は鑑賞できる。たぶん2作品鑑賞もほとんどの場合可能だろう。1つの歌劇場で同じ時期に2作品上演している場合もあるし、1都市に2つ歌劇場がある場合もある。

オペラは大規模なので費用的な問題もある。需要とリソースが十分でないと頻繁に上演することは難しいのだろう。オーケストラも合唱団も大規模だし、2~4時間も歌い続けられる実力派ソロ歌手複数名も必要。演出、衣装、照明、舞台セット、小道具など多くの人と物を動員する。バレエ団が加わる場合もある。演技などの練習期間も他の音楽公演とは比べ物にならない期間を要する。

わたしの知る限り、クラシック音楽は好きだけどオペラはちょっと・・・という人たちも確実に存在する。たとえば、ピアノ愛好家でオペラも好きという人はそれほど多くないと、わたしは感じている。何故なのかは分からない。ストーリーが好きになれないのか、言葉の壁があるからなのか。好みは人それぞれなので仕方ない。

オーケストラやピアノなど、他のジャンルと比べると、日本でのオペラの人気は今ひとつなのかもしれない。公演実現の困難さもある。だから、ヨーロッパの都市と比べるとオペラ公演が少ないのだと、わたしは理解している。

ヨーロッパでも国によるのだろうけど、たとえばドイツでは各都市に歌劇場があり、それぞれ独自の上演を行っている。ライプツィヒとドレスデンは電車で1時間程度の距離だが、それぞれ歌劇場がある。わたしは1週間の旅行中、ライプツィヒで「ラ・ボエーム」、ドレスデンで「ヘンゼルとグレーテル」「こうもり」を楽しんだ。

ヨーロッパ在住で週末旅することが苦でなければ、ヨーロッパ各都市でオペラ三昧も可能。日本だとなかなかそうはいかない。東京でもタイミングによってはオペラは1つも鑑賞できない。他の地域、たとえば「びわ湖ホール」に行くと、東京と同じプロダクション(同じ公演を同じメンバーが同じ演出で歌う)が上演されていたりするので、わざわざ旅する意味はない。

日本でももっとたくさんオペラが鑑賞できるといいな。かと言って、すべてを鑑賞するわけではないのだけど・・・ 東京以外の都市で、独自のプロダクションかつハイレベルなオペラ公演をやっているなら、東京から駆け付ける人も多いだろうね。旅の計画を立てたり、少し人生の楽しみが増えるのに。

演奏会形式でも良い。でも、公演情報を見逃してしまい、鑑賞できなかったこともある・・・

 

4.チケット発券が面倒

ヨーロッパの主要ホールではEチケットが主流。自分で家で印刷して持っていくだけ。世界どこから購入しても自宅でチケット手配が完結する。

日本ではコンビニ発券が主流。いちいちコンビニに行って発券してもらわなければいけない。はっきり言って面倒だ。利用者自身が面倒なことをやらなければいけないのに、手数料を取られるなんて意味がわからない。

www.music-szk.com

 

番外編

検討の結果、「残念なところ」に含めなかったのは、来場者の服装がイマイチな点。なぜ「残念なところ」に含めなかったかというと、わたし自身がイマイチな服装の人間の一人だから(笑) 「絶対ドレスアップしなければならない」というルールが出来てしまったら、わたしがコンサートに行きにくくなる。まったく行かなくなってしまうかもしれない。それじゃあ、わたしの人生もう終わったも同然ではないか。

ヨーロッパでもカジュアルな格好の客はいる。楽な格好で鑑賞することを奨励する歌劇場もある。でも、なぜか向こうの皆さんのカジュアルルックは品があって良い印象なのだ。気合入れてドレスアップした人の隣にいても違和感ない品の良さがある。

わたしは、わたしがファッションに興味を持てないのは、日本での暮らしの中では滅多にセンスの良い服装の人を見ないからではないかと思うことがある。自分がダサくても気にならない気楽さ!(笑)ファッションに興味を持てない別の理由として、日本的なファッションが好きでないというのもあるだろう。好きではないものには興味を持てないのは当たり前だ。

ヨーロッパで鑑賞するときは無難なワンピースを持っていくのだが、どう考えても自分だけダサいなと自分で感じる。そして、周辺には洗練された着こなしのお客さんたち。そんな人たちを美しいと思う。

 

プレゼン・提案 カテゴリーの記事一覧 - 音楽好きのスズキ 第2楽章

Copyright © Ongakuzukino Suzuki 2019. All rights reserved.