バッハのヴァイオリン協奏曲 ニ短調 BWV1052R の "R" って何だ?? - オランダ・バッハ協会来日の予習中

話は変わるが、チャイコフスキーのオペラ「オネーギン」の予習が不調だ。「オネーギン」は去年鑑賞した「イオランタ」より長く深い内容なのでロシア語に全然ついていけない。すぐに迷子になってしまう。とほほ。考えてみれば「イオランタ」は単純だった。そのまま子供向けの童話にできそう。でも「オネーギン」は文豪プーシキンによる露西亜文学の小説が原作。手ごわい。大丈夫かスズキ?

 

話を戻そう。オランダ・バッハ協会&ヴァイオリン奏者で音楽監督の佐藤俊介さんの来日が近づいている。こちらは予習せずに鑑賞しようと思っていたのだが、ちょっとプログラムの曲を調べてみた。オホホホ!これを演奏してくれるのね!


Bach - Violin Concerto in D minor BWV 1052R - Sato | Netherlands Bach Society

うふふふ!ここはどこでしょう!?

ここはライクスです。Likes? いえ違います。Rijksです。つまり、アムステルダム国立美術館です。そして背景の絵も何となく見たことあるでしょ!? そう、レンブラントさんの「夜警」です。スズキも行ったことあるわよ。息苦しくて死にそうだったときに大嫌いな日本を脱出して。ライクスは写真OKの美術館なので写真も撮ったわよ。

こんなところでバッハを演奏。いいですね。

オランダ・バッハ協会のYouTubeチャンネルでこの動画が出たとき、もちろんすぐに再生した。で、すぐに「あれ?これピアノ協奏曲じゃん」と思ったのだった。なんでだ!?どうやら作品番号1052の後ろについている「R」が謎を解く鍵らしい。

 

ミッション:「R」の謎を解け!

 

バッハのチェンバロ協奏曲(ピアノで弾く場合はピアノ協奏曲と呼ぶ)は、過去に作曲した別の曲が原曲となっている。それぞれ別の作品として作品番号が与えられているのだが、チェンバロ協奏曲BWV1052の場合は、原曲が紛失している。さらに、原曲がバッハ自身が作曲した作品かどうかも定かではないという。

研究によると、チェンバロ協奏曲BWV1052の原曲はヴァイオリン協奏曲だったという説が有力らしい。なので、ある作曲家が、チェンバロ協奏曲BWV1052をベースに、原曲を「復元」した。紛失した原曲を「復元」したので、個別の作品番号ではなく、ベースの曲に「R」というマークが付けられている。

ウィキペディアの英語ページを読むと復元はreconstructionとなっている。ドイツ語ページでは Rekonstruktion という単語は1ヵ所(BWV1059の説明)でのみ使われている。やや心もとないけど、この単語の頭文字を取って R と表記したと考えて良いだろう。よし、R の謎解きは完了。(え?!早!笑)

Keyboard concertos by Johann Sebastian Bach - Wikipedia

ウィキペディアの英語ページによると、どうやら最新の研究では、チェンバロ協奏曲BWV1052の原曲は、ヴァイオリン協奏曲ではなく、オルガン協奏曲だったという結論になっているそうだ。わたしにはよく分からないが、「こんなパッセージはバッハが作曲した他のヴァイオリン曲にはない」とか、「バッハは他のチェンバロ曲でも、ヴァイオリン的な特徴をチェンバロ用のパッセージとして作曲している」というのが根拠らしい。(わたしの音楽知識では正確には理解できないし、相応しい日本語に置き換えるのも難しい。あまり信用しないようにね。)

チェンバロ協奏曲BWV1052の原曲がヴァイオリン協奏曲であるという説の根拠の1つとして、弦楽器特有の「開放弦」を活かした奏法が見られることが挙げられる。弦の1つは「開放弦」つまり指で押さえない。他の弦は、指で弦を押さえたり、上下にスライドさせてメロディーを作る。開放弦と、他の弦を交互に鳴らす。そうすることで、カッコいい響きになる。わたしのようなヴァイオリンを演奏できない人間からみると、超絶技巧に聴こえる。弦楽器らしい激しさ。ある意味バロックっぽい?

下の動画でヴァイオリン奏者の佐藤さんは、それを「ブリリアントな音を生むが、凄い音の割りには難しくない」という風に言っているが、本当にそうなのかは、ヴァイオリン素人のわたしにはわからない。(ピアノにも確かに、難しくないところで「スゴイ」と感心されてしまう部分があるので、ヴァイオリンもそうなのでしょう。)


Sato on Violin Concerto in D minor BWV 1052R | Netherlands Bach Society

 

せっかくなので "R" ではない、つまり復元ではない、BWV1052も聴いてみたいでしょ? はい!どうぞ! 一番上の動画と聴き比べてみてね。


Bach: Harpsichord Concerto No.1 in D Minor BWV 1052 (Jean Rondeau)

 

ちなみに、オランダ・バッハ協会のプログラムではBWV1052の第1楽章はヴァイオリン(つまり "R")で、第2楽章と第3楽章は別途チェンバロで演奏するらしい。プログラムが変更になる可能性もあるので本当にこの曲のヴァイオリン版が聴けるのかどうかは分からないのだが・・・

おや?!

他のホールのプログラムも見てみたけど、BWV1052Rが入っているのは浜離宮朝日ホールだけではないか!?

まあ!ラッキー!

(浜離宮完売)

 

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