はらむら古楽祭2019 旅のメモ

旅する音楽好きのスズキは「今年も来れて良かったね!来年もまた来れますように!」というタイプの人間ではない。毎年同じことを繰り返すより、まだ知らない世界に飛び込んでいきたい。そんな人間だ。木曽音楽祭が気に入って3回行った。毎回異なるプランを作って楽しんだのだが、アイデアが尽きて飽きてしまった。

参考記事

クラシック音楽ファンは夏に「青春18きっぷ」で木曽音楽祭に行こう! 3つの旅プラン(東京駅発) - 音楽好きのスズキ 第2楽章

 

よし、新たに音楽祭を開拓しよう。

 

古楽音楽祭を発見した

すでに去年この音楽祭を発見していた。音楽とは関係なく、山や公園など自然の中で気分転換できそうな場所がないかGoogleマップで調べていたとき、ある公園のウェブサイトを見てみたら「古楽祭」の案内が。こんなところで?!去年は行かなかったが、今年の旅プランの候補にした。

はらむら古楽祭

2019年9月21日(土) 22日(日) 23日(月祝)

はらむら古楽祭公式サイト

3日間のうち、最初の2日間だけ楽しむことにした。

 

アクセス

原村は長野県にある。公共交通機関でのアクセスは不便だ。地域のバスは限定的。JR駅からも少々遠いので一人でタクシーに乗る気になれない。諦めそうになったとき、山梨県の小淵沢駅から観光客向けの夏季限定バスが出ていることを知った。八ヶ岳エリアを巡るバスで、音楽祭のメイン会場である八ヶ岳自然文化園にも停まる。ただし1日3往復のみ運行。9月は週末と祝日のみ。自由度は限られているが、これを利用するしかなさそうだ。

バスの正式名称は「八ヶ岳鉢巻周遊リゾートバス」 

 

ちょっと立ち寄り

三連休の予報が雨。せっかく旅を企画したのに気が重い。前述の通り自由度は限られているのだが、リゾートバスで立ち寄りを決行。霧雨が降り、寒く、視界も悪い中、スキーリフトに乗って展望エリアに到着。そして広いエリアを一人で独占的に散策。気温14度ぐらい。この観光施設は「花の里」という場所なのだが、メイン客は団体バスツアーや家族連れなのだろう。この悪天候の日にリフトに乗ったのはたぶんスズキだけ。 一人客もたぶんスズキだけ。

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原村のペンション

古楽祭が開催される原村にはペンションや別荘が沢山ある。自然文化園の目の前もペンションエリア。「原村第2ペンションヴィレッジ」という。花や植物に囲まれた美しい庭の小さなペンションが沢山。自然文化園まで徒歩で行ける。

わたしが泊まったのは三角形のペンションエリアの中の先っぽ、つまり自然文化園からは最も遠い位置にある宿。猫の置物がたくさんある細部までこだわった素敵な内装の感じの良いペンション。個室だけどトイレと風呂は共用、朝食付き。1泊料金は、前記事で紹介した「ニコラさん」のリサイタルより安い(笑)

同じ宿に音楽祭のお客さんが2組。いずれもフルート奏者の前田りり子さんの生徒さんたち。わたしも少しだけお喋りに加わって楽しんだ。

 

八ヶ岳自然文化園

旅の目的は音楽だけではない。自然の中でリフレッシュして大嫌いな日常を忘れたかった。初日は雨のため、ひたすら外を眺めてシクシク(涙)いったいわたしはここで何をしているんだ。何しに来たんだ。とほほ。

奇跡的に翌日は晴れた!バンザイ!

コンサートやワークショップ以外の時間は、自称「ヨーロッパかぶれ」らしく、自然の中を散策して過ごした。

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建物には飲食OKの休憩エリアがある。初日も2日目もお昼は入り口前でテイクアウトのカレーを買った。初日の夕飯はここのレストランで五一ワイン(長野県産)とパスタをいただいた。ペンションヴィレッジ内の蕎麦屋やカフェは夕方には閉店してしまう。自然文化園のレストランは21時まで営業している。この徒歩圏エリア唯一の夕食処。一般客はペンションで夕食なのだろう。このレストランはアルコールもカフェメニューも充実していて、店内の本は読み放題。おしゃれで居心地が良い。

 

中世の楽器を体験

WS(ワークショップ)で楽器の体験コースを2つ受講した。

パイプ&テイバー

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片手で笛を吹きつつ、もう一方の手で太鼓を鳴らす、一人二役の楽器演奏なのだけど、聞くところによると奏者はステップを踏みながら演奏することもあるという。二役というより三役?

中世からヨーロッパ各地で練り歩きやダンスの伴奏として演奏されてきた。今でもヨーロッパではカーニバルなどでパイプ&テイバー奏者たちが大活躍しているらしい。

参考:先生の演奏


ウサギ狩り

片手で吹く笛は穴が3つしかない。表に2つ、裏に1つ。あとは息の強さで音の高さを作る。むずかしい。たぶん、正しい音で吹けているときは他の皆さんの音と重なってしまって自分では分からない。外してしまったときだけ自分の音が聞こえる(笑)

むずかしい。スズキの無駄に長い指は余ってしまい、うまく穴を押さえられない。ははは(笑)

楽器はお借りしたのだが、写真のとおり、太鼓が古くて素敵。

使った笛はD管、つまりニ長調(レミ ファ# ソラシ ド# レ) を鳴らす笛。講師の氏家厚文さんは他にもヨーロッパ各地のパイプを複数お持ちだった。それぞれ異なる調を奏でる。短調のパイプもあった。確かスペインのだったかな? なるほどなぁ。曲ごとに楽器を変えなえればいけなかったんだ。

事前に演奏予定曲として挙げていただいた2曲は一応予習しておいた。といっても、YouTubeで探して聴いただけだけど。いずれも古いダンス音楽。

「ハーフハニキン」(ジョン・プレイフォードの「ダンシング・マスターより)

「洗濯女のブランル」(トワノ・アルボーの「オルケゾグラフィー」より) 

人の名前は作曲家ではなく、そのダンス音楽本を出版した著者(?)編集者(?)の名前らしい。

 

アホなスズキは最初「ブランル」は洗濯女の名前だと思っていたのだが、調べてみるとダンスの名前だった。

ブランル - Wikipedia

踊り付きの「洗濯女のブランル」を貼っておく。なかなかシュールだ。わたしは受講しなかったが、はらむら古楽祭にはダンスのワークショップもあった。隙間からチラっと見たとき、皆さん、この動画みたいに音楽に合わせて指一本たてて横にゆらしていた。それ、おもしろいわ。ノー  Non, non という意味?それとも?


Branle des Lavandières - Waschweiber Reigen - Washerwoman's Branle

 

中世フィドル

古いヴァイオリンのこと。「誰でも中世の楽師になれる」と書いてあったので、スズキも張り切って来てみた。まあ!フィドルが沢山!

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こんな楽器を手に取るつもりだったのに、気がついたら皆さんに取られてしまった。

残っていたのは、この子だった。

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「レベック」という名の楽器。

Rebec - Wikipedia

みんなは弦が4本(一部5本のも)なのに、この子は3本しかない。。でも、カワイイね。小型で持ち運びしやすいし。気に入ったよ。イイ子だね。

受講者のほとんどがヴァイオリンやヴィオラの経験者だった。大丈夫か?スズキ。。。(前日の同WSは未経験者が多かったらしい?) 

わたしは一応、自分は弦楽器「未経験」と認識しているが、じつは8回だけヴァイオリンの体験レッスンを受けたことがある。しかも、その後ずっと放置しているが家には1万3000円のヴァイオリンがある。関連記事

あのヴァイオリン企画は、自分的には失敗の企画だったと思っているが、こうしてフィドル、いやレベックを手に取ってみると、時を経てあのヴァイオリンと過ごした時間を思い出す。こんな感じだったよね、と思いながら、ギィギィ鳴らしてみた。開放弦がゼロで、一番向こうの方を人差し指で押さえるのがイチ・・・という数え方も覚えている。曲は「ソ」で始まる。わたしの楽器は、鳴らしてみると真ん中の弦が「ソ(G)」だと分かった。よし、なんとかなりそうだ。

1時間のグループレッスンは超特急で進んだ。そのまま楽隊の一員として練り歩き。うそーん・・・ ホントに?

 

即席中世楽師のスズキさん?

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バグパイプや太鼓など他の楽器奏者、中世の甲冑を身に着けた戦士たちと一緒に列を作って公園から教会まで。一般の皆さんに注目されながら。あのう、えっと、わたし、さっき手ほどきを受けたばかりのド素人ですけど・・・

自由が許される雰囲気。弓の持ち方も楽器の構え方も。脱力していればOK。それから弓と弦が十字に90度で交わればOK。わたしは折り畳み傘の袋を持ちながら(カッコ悪い)練り歩き演奏。他の皆さんも自由に。フィドル講師の上田華央さんはかわいいワンちゃんを入れたショルダーバッグを下げながら演奏されていた。
覚えたてのメロディーを思い出せず、演奏スピードにもついていけず、スズキは早々とギブアップして拍子を刻む役に移った。なんかうれしいなぁ。一人でピアノを弾いていると、誰か(弦楽器)に「刻んで」もらいたくなる。ピアノ三重奏とか聴いていると、拍を刻むって、いいなぁと思っていた。 まさかこうして「刻む側」になるとは。できるだけイイ音を狙ってジャジャジャと弓で弦を擦って歩いた。

フィドルにしてもテイバーパイプにしても、適当に鳴らしても案外、格好が付くというか・・・(笑) 転調のない曲だし。パイプは音が外れてもイイ感じでハモる。フィドルは開放弦なら自然に曲に馴染む?

雨の場合は練り歩きは出来ない。連日雨の予報だったのに、2日目だけでも晴れて本当に良かった。

即興楽師スズキ誕生?!この祭りの個人的なハイライトだ。

 

2つのコンサート

 教会でコンサートを鑑賞した。大事な注意点を2つ。

・Googleマップの八ヶ岳中央高原キリスト教会の位置が間違っている(2019年9月時点)

事前になんでもネットで調べ過ぎるのがいけないのかもしれないが、Googleマップを信じて調べてみたら自然文化園から教会まで徒歩20~30分かかる。コンサートを最後まで聴いたら小淵沢駅行きのバスに間に合わない。困ったな。そう思っていたら、そもそもGoogleマップの教会の位置が本来の位置とだいぶズレていることを現地で知った。実際、自然文化園から教会は徒歩10~15分ぐらい。

・徒歩で夜の教会のコンサートに行くなら電灯を持っていくべき。

ほとんど街灯が無い真っ暗な道もあった。しかも脇に溝がある。車に轢かれるかもしれない。ペンションまで一人で無事に戻れるか心配だった。夜道を歩く人などいないという前提で村作りが行われているのでしょうね。。

何はともあれ、小さな木の教会で鑑賞するのは至福の時間。

何はともあれ、来てよかったと思う。

 

2019年9月21日(土)19:30~

八ヶ岳中央高原キリスト教会

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ

無伴奏チェロのための組曲第1番ト長調

チェロ:島根朋史

無伴奏フルートのためのパルティータイ短調

フルート:前田りり子

無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調

ヴァイオリン:丸山韶

 

1人ずつソロなんて贅沢なコンサートだ。ものすごく響く空間。羨ましいだろう?!ふふふ。

師を想いながら演奏したチェロ。金属より柔らかい木製フルートの音色。オーケストラで見るフルートよりかなりシンプル。楽器に吹き込まれる風や振動を強く感じる。バロックらしい躍動的な激しいヴァイオリン。

 

2019年9月22日(日)15:00~

八ヶ岳中央高原キリスト教会

古楽アンサンブル コントラポント 特別公演「諸国の人々」

ヴィヴァルディ「12のヴァイオリン・ソナタ集」よりソナタ第1番ト短調

クープラン「諸国の人々 トリオによるソナードとサンフォニー組曲集」より第1組曲

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ「音楽の捧げ物」よりトリオ・ソナタ

フルート:前田りり子

ヴァイオリン:丸山韶

チェロ:島根朋史

チェンバロ:花井哲郎

 

前日のソロで、ソロに向いている空間だと感じたので、アンサンブルだと響きすぎてうるさくならないか心配したが、そんなことはなく、こちらも最高の音響で楽しんだ。

りり子さんによる、早口なのに分かりやすい作曲の裏事情が面白かった。その辺もわたしの大きな関心事なのだ。ただ音楽にうっとりするだけではつまらない。

以前読んだ、りり子さんの本も面白かった。読後に書いた記事はこちら

 

プログラム最後まで聴くことができた。アンコールがあったかどうかは知らない。わたしと、他3名ほど急いでバス停に向かった。よし、間に合った!なにしろ1日3本しかバスがないのだから、ヒヤヒヤ。

無事東京に戻ってきた。わたしの息抜きは終わってしまった(号泣)

 

3日目はどんな雰囲気だったのだろう。

来年、行ってみたくなった?

はらむら古楽祭

はらむら古楽祭公式サイト

 

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