自作アート|架空のコンサートのチラシ/ポスターを作ってみた 1

以下の4つの公演案内はチラシ/ポスター作成の練習として作ったものであり、実際に公演が行われる予定はない。

「こんなオペラやクラシック音楽コンサートがあったら行きたいな」という儚い想いを込めて演目を選択した。壮大過ぎて実現ほぼ無理なもの、マイナー過ぎて無理なもの、コロナ禍のせいで無理なものなど。

なお、演奏者名は入れなかったが、「リング」以外は特定の演奏者を想定している。その辺の解説を加えながら架空の公演をそれぞれご覧いただこう。

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ミケランジェロ・ファルヴェッティ(1642-1692)は、バロック時代のイタリアの作曲家なのだが、ほとんど忘れ去られた作曲家と言っていいだろう。ただし、例外として指揮者レオナルド・ガルシア・アラルコンが率いる古楽グループがファルヴェッティ作曲の「大洪水」と「ナブッコ」の演奏を再現している。

死にそうな気分解消のために急遽アムステルダムまで旅したときに偶然鑑賞した「ナブッコ」という作品を気に入ったので、今度は「大洪水」の生演奏を聴きたい。

おそらくアラルコンたちは来日したことはないだろう。彼ら以外でファルヴェッティ作品を演奏する団体はないだろう。ということで「日本初演」と入れたが、実際のところはわたしには分からない。

鑑賞1週間前に超特急で「ナブッコ」を予習したときのCDを絶賛オススメしておく。非公開化した過去記事で作品について語ったが、マイナー過ぎて誰も興味ないようなので再公開はしない。

CDジャケット画像クリック→Amazon

「大洪水」はアラルコンたちのYouTubeチャンネルで公開中


Il diluvio universale Falvetti by García Alarcón. The original

チラシで使用した写真、大洪水のように見えるかな?

ふふふ。その写真は数年前に徳島の大塚国際美術館に行ったときに、ついでに立ち寄った鳴門の渦潮で撮った写真である!(笑) 

 

 

 

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モンテヴェルディ作曲の教会音楽「聖母マリアの夕べの祈り」である。教会で聴きたい。「教会」という名であればどこでも良いのではない。つまり、あの空間の広さと建物の素材が可能とする響きを味わいたい。日本では絶対無理だ。なので、上のチラシはヨーロッパでの公演を想定している。

「こんな空間で聴きたい」という視点で、手元にある写真の中でイメージに合うものを探してみたところ、プラハの聖ヴィート大聖堂の写真が良いと思った。聖母マリアとは関連は無さそうだが、一応カトリック教会なので作品に相応しい場所と言ってもよい・・・かな?

空間の広さは素敵だが、さすがに広すぎて音がグワングワン響きすぎて合唱には向かないかもしれない。

想定した演奏者は指揮者ラファエル・ピションが率いる古楽集団ピグマリオンである。去年だったと思うが、この作品の演奏動画を気に入ってYouTubeで何度も再生した。ライトを効果的に使っていた。暗い中、小さなスポットライトを当てられたソリストが歌った後に、パッと演奏者全体にライトが当たって、みんな一斉に歌い出す・・・という感じ。ソリストたちも惚れ惚れするぐらい上手いが、ピグマリオンの合唱も素晴らしい。たぶん別途書くが最近観たオルフェオでもそう思った。

「聖母マリアの夕べの祈り」は、期間限定だったようで、今はこちら↓の短い動画のみYouTubeで視聴可能。全編はmedici.tvのサイト利用者向けに公開中。

前述のとおり、この曲は場所にこだわりたいのでヨーロッパ公演という想定でチラシを作ってみたが、彼らもおそらく1度も来日していないよね?ぜひ聴きたい。そう思っている古楽ファンは多いはず。


Raphaël Pichon - Monteverdi: Vespro della Beata Vergine

 

 

 

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ちょうど今、ニューヨークのMETが1日1作品ずつリング全作品を公開している。頑張って鑑賞しようかと思ったのだが、さすがに毎日この長時間の大作を鑑賞するのはシンドイのであきらめた。いつか有料オンデマンドで鑑賞すればいいや。みなさん鑑賞してますか?

演奏時間はそれぞれ約2時間半、4時間、4時間、4時間半である。わたしの強い希望?により、チラシで想定したのは毎週末に1作品ずつ、1か月かけて全作品を演奏するというスケジュール。これにより、多くの人々は、ストレスフルで退屈な日常である1週間を、乗り切ろうという気持ちが沸いてくるだろう。

日本での実現は不可能だろう。歌手陣の負担も大きい。ヴォータンは最初の3作品すべてで歌う。ジークフリートは後半2作品だがほぼ全体的に歌い続ける。それだけの体力と経験がある大物歌手に、舞台稽古を含め日本に長期間滞在してもらうのは、コロナ以前でも無理だっただろう。

演奏会形式ならどうだろう?いや、でも、Withコロナ時代はどちらにしても、もう絶望的に絶対に無理である。

写真はドレスデンから電車で1時間ほど移動したところにあるバスタイという名の山で撮った。そこに行ったとき、ワーグナーの世界に通じる場所のような気がした。

 

 

 

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 言うまでもないが、想定演奏者はカピュソン兄弟&フランク・ブラレイである。3人揃って来日することがほとんどない(初期のラフォルジュルネ以外では)。貴重な来日公演となる。架空のコンサートだから、「終演後のサイン会あり」ということにしよう!Withコロナ時代に入ってしまったので、もう二度とサイン会などないのかもしれない・・・ 希望のない時代だ。それでも、演奏だけでも聴きたい。画面ではなく目の前で。


Renaud Capuçon, Gautier Capuçon, Frank Braley – Beethoven: Piano Trio No. 7 "Archduke": II.

チラシ内のイラストは、動画から好きな瞬間を選んで一時停止してスクリーンショットを撮り、Illustratorでテンプレート化して、ペンでなぞって作成した。この3人の演奏を知っている人なら、イラストを見れば、3人を想定していることにすぐ気付くだろう。

ベートーヴェン像はウィーンのパスクァラティハウスでわたしが撮った。Photoshopで切り抜いてみた。

ピアニストのフランク・ブラレイが、わたしのクラシック音楽人生において1番の重要人物であることは、非公開化した過去記事で述べた。他にも影響を受ける人がいるかもしれないと思って書いた記事だったが、他人からみるとどうでもいい話らしい。まったく反応はなかった。二度と公開しない。

わたしがヨーロッパまで音楽鑑賞の旅をするようになったのも、室内楽に興味を持ったのも、フランスに始まりヨーロッパに猛烈に関心を持ったのも、ブラレイさんという人物がきっかけだった。直接的な影響ではないが、ヨーロッパに旅するようになったからこそオペラや歌曲も好きになった。

そんなわたしだが、半年前に下の動画↓が公開されていたことを、つい昨日まで知らなかった。頻繁に来日しているから、あいさつや片言ぐらい日本語が分かるのだろうと思っていたが、はるかに想像を超える流暢ぶりではないか・・・ 衝撃だ。

メッセージそのものは誰かに訳してもらったのだろうけど、あきらかに日本語の構造や発音を知っている人の話し方である。誰かに録音してもらったのを必死に真似して暗記したという感じではなく、言葉の意味を理解して自然に話している。知らなかった。かなり驚いてしまった。

構造を理解してアートに変換する・・・ピアノ演奏みたいだ。

半年前にこの動画を知っていれば、少しは気分が和らいだかもしれない。ちょうど半年前からわたしは落ち込みが始まって、未だに解消できていない。

人と疎遠でなので、誰もこんな動画を教えてはくれないし、そもそもわたしが具体的にどんな音楽・演奏家が好きかということを、ほとんど誰も理解していない。

YouTubeのレコメンド機能が低レベルな機能であることを改めて知った。最近はあまりチェックしてないとはいえ、以前はしつこく何度もブラレイさんの名前で動画を検索していたのに、なぜこの動画を「レコメンド」してくれなかったのだろう。かわりに、イマイチな動画ばかり前に突き出して。まったく使えない機能だ。

偶然このブログに来たブラレイさんファンで、まだこの動画を観ていない人は、ぜひご覧ください。


Frank Braley

あのう、ブラレイさん、演奏時間が極端に短くないですか・・・?(笑)

ブラレイさんが弾いているベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番は、まだ彼の生演奏では聴いたことがない。聴いたのは、彼が1991年のコンクールで弾いた演奏の動画だけ。いつか生演奏で聴きたい。

これだけ日本を好きでいてくれることはもちろん嬉しいことである。何しろブラレイさんを知ったのは震災直後で、原発事故のせいで音楽祭での演奏をキャンセルした演奏家たちの穴埋めとして、自ら来日を希望して来てくれたときだった。9年も前か・・・

一方で、わたし自身は日本が嫌いなので、複雑な気分でもある。演奏者として、旅行者として、日本に滞在することと、日本で暮らすことは全然違うのだ。

何はともあれ、長距離の演奏旅行が可能になったら、ブラレイさんは真っ先に来てくれそうだ。そんな勢いを感じる動画だった。ありがとう。

今年わたしが練習しているシューベルトD959の理想の演奏はブラレイさんの演奏である。久し振りにCDを聴いているが、とことん丁寧なのに、やぼったさを少しも感じない、颯爽としたセンスの良い音作りに相変わらず魅了される。

 

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