コロナ禍のオンライン鑑賞で発見した魅惑の女性オペラ歌手たち

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素敵な女性オペラ歌手を3人ご紹介したい。世界コロナ危機があまりにもショック過ぎてブログを中断していたときに、オンライン鑑賞を通して知った歌手たちである。

海外のアーティストばかり贔屓してしまうのには様々な理由がある。そのうちの1つは、「おお!これは・・・!」と思った歌手のバックグランドを調べるのが楽しいからである。特に世界各地にルーツを持つアーティストのことを調べるとワクワクする。

最初にご紹介する2人は、ユニークなルーツの方々である。世界地図を頭に入れながら読んでいただければと思う。

 

Danielle de Niese

ダニエル・ドゥ・ニース


Giulio Cesare: 'Da tempeste il legno infranto' | Glyndebourne


Giulio Cesare: 'Caro! Bella!' - Glyndebourne

名前のカタカナ表記はCDで使用されている表記と同じにした。

鑑賞したのは期間限定でYouTubeで公開されたイギリスのグラインドボーンで上演された2本。

2005年 ヘンデル「ジュリオ・チェーザレ」(上の動画2つ)

2016年 ロッシーニ「セヴィリアの理髪師」(下の動画)

いずれも既に公開は終了している。ここに載せたのは短い紹介動画。

ダニエル・ドゥ・ニースは、チェーザレではクレオパトラ役、セヴィリアの理髪師ではロジーナ役を歌っている。

セヴィリアの理髪師の舞台セットのデザインがお洒落で気に入っている。(鑑賞中に思わずスマホで写真撮った)。ロジーナの衣装も、協演の伯爵とフィガロも素敵。完ぺきではないか!!


Il barbiere di Siviglia: 'Zitti, zitti, piano, piano' - Glyndebourne

彼女はチャーミングな役、クールな役、エキゾチックな役、どれもよくお似合い。表情が豊かで1度見たら、もう忘れられない歌手と言っても過言ではない。さあ、彼女のルーツはどこでしょう?!

 

ダニーさん(愛称)はオーストラリアのメルボルン生まれ。ご両親はスリランカ出身。スリランカの民族の中でも珍しい「バーガー人」というユーラシア系の民族(ウィキペディアによると現在4万人以上)。

11歳ごろに家族でロサンゼルスに移住。最年少の19歳でニューヨークのメトロポリタン歌劇場デビュー。2005年以降はグラインドボーンの常連。他の劇場でも活躍。ご主人はグラインドボーン音楽祭創設者一族の方である。

 

 

Asmik Grigorian

アスミック・グレゴリアン


Asmik Grigorian sings 'Who are you, my guardian angel?' from EUGENE ONEGIN – Komische Oper Berlin


TRAILER | EUGENE ONEGIN Tchaikovsky - Komische Oper Berlin?

 

鑑賞したのはお気に入りのチャンネル OperaVision で期間限定で公開されたチャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」である。公開は既に終了している。ベルリン・コーミッシェ・オーパーの制作。

前にも言ったかもしれないが、わたしはこの作品が大大大好きなのだ。

田舎の文学少女で野暮ったい感じだったタチアナが、最後の幕では気品あふれる美しい女性に成長。

一方、クールでキザで自由だが人生に退屈していたオネーギンが、最後の幕ではやつれ果てて愛を求めて苦しむ。

2人の変貌ぶりと凄まじいすれ違いが面白い。

アスミック・グレゴリアンの変貌ぶりも驚くべきものだった。上のトレイラーで伝わるといいな。他のオペラでどのように歌っているのかは知らないのだが、最初の場面、田舎の少女タチアナがよく似合っていた。もじもじした感じの女の子が、「あの最後の幕のタチアナ」になれるのだろうかと思いながら観ていたのだが、想像以上の凄味に圧倒されてしまった。歌も演技も。気品あふれるタチアナの方がアスミックさんご本人に近いのかもしれない。

コーカサス(黒海とカスピ海の間のエリア)に興味がある人間なら、彼女のルーツは名前からある程度想像が付くだろう。

「~アン」という名前はアルメニアの苗字である。分かりやすい例は作曲家のアラム・ハチャトリアン。彼の時代はアルメニアはソ連内の共和国だったので、「旧ソ連の作曲家」と思っている人も多いのかもしれないが。

でも、アスミック・グレゴリアンはアルメニア生まれではない。彼女はリトアニアの首都ヴィリニュス出身。

アルメニア出身のご両親もオペラ歌手。父はテノール歌手ゲガム・グレゴリアン。

グレゴリアン一家がなぜリトアニアに住んでいたのか。父ゲガムのウィキペディア情報によると、ゲガムは1978年にミラノのスカラ座で研修を受けており、そのままデビューの契約を結んで公演準備中だったが、キャンセルするようソビエト政府から命令があり、一旦拒んだものの、脅されて受け入れざるを得なかった。帰国後に再びイタリアに行って難民申請をしたのだが失敗。海外渡航禁止者リストに入れられてしまった。1980年からリトアニア(同じく当時はソ連内の共和国)の国立歌劇場で活躍するようになったとのこと。

 

 

アスミック・グレゴリアン、それから先にご紹介したダニエル・ドゥ・ニース、2人ともいつか生演奏で歌を聴きたい歌手たちだ。もちろんオペラがいいな。

 

 

3人目にご紹介するのは故人なので劇場で生演奏を楽しむことはもう不可能。残念だ。先の2人のような特別なルーツではないが、最高に素晴らしい歌手を知ったので書き留めておきたい。

 

Leonie Rysanek
レオニー・リザネク

(1926-1998)


Leonie Rysanek: Lohengrin, "Entweihte Götter!" (Wagner)

ニューヨークのメトロポリタン歌劇場が毎日1本ずつ公開しているプロジェクトでヴァーグナーの「ローエングリン」を鑑賞した。誰かが勝手にアップロードした動画をブログに載せるのは抵抗があるのだが、他に無いのでとりあえずこの動画をここに入れた。おそらくわたしがメトロポリタン歌劇場のサイトで鑑賞したのと同じ。

オーストリア出身のレオニー・リザネックが歌っているのは、オペラ作品の中でもわたしのお気に入りキャラの1人であるオルトルートだ。オルトルートは呪術を使う女。上の動画は上手くエルザ姫を騙して、勝ち誇って一人で絶叫する場面。ゲッター(神の複数形、つまり彼女は異教徒)と叫ぶ。わたしがこの物語の登場人物の1人だったら、こんな歌を聴いてしまったら、恐ろしくて震えてしまうのだが、オペラファンとして鑑賞するだけなら、もう楽しくて仕方ないのだ!鳥肌物の快感だ!カッコ良すぎる悪女の興奮ぶりを堪能できる。ふふふ。

そんな好きなキャラであるオルトルートの My ベストを、こうしてコロナ禍のオンライン鑑賞で発見したのだった。せっかくだから名前を確認して覚えておきたいと思った。

 

それで、もしご存じでしたら教えていただきたいことがある。あなたのイチオシのオルトルート役はどの歌手ですか?

 

知りたいこと

あなたのイチオシの【オルトルート】は?

その歌手の名前を教えてください。

 

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