美しき短調のクリスマス音楽 トラディショナル&クラシック

全国の短調好きの皆さまのため、短調好きのスズキが美しい短調のクリスマス音楽を選曲した。

言うまでもないが、一般的なクリスマス曲を無理やり短調に変えたものではなく、もともと短調として作られた音楽をご紹介する。

短調贔屓の目線で断言してしまうが、短調は心に響く調である。感傷的な気分も心地良さも同時に楽しむことができる。短調バンザイ。

まずはこの曲から。一般的に短調のクリスマス曲というと、真っ先にこれを挙げる人が多いのでは?


Libera - Carol of the Bells (New)

Carol of the Bells はウクライナの司祭が1914年に作曲したとなっているが、ベースは古いウクライナ民謡。

かれこれ15年ぐらい前に毎朝スタバで聴いて気になった曲。けっきょく店内ミュージックCDを買ってしまったぐらい。

 

 

一方、クラシック音楽ファンに短調のクリスマス曲について語らせると、これが話題になるかもしれない。


Corelli: 12 Concerti Grossi, Op. 6, No. 8; Christmas Concerto - Musica Amphion - Classical Music HD

コレッリ作曲 合奏協奏曲第8番ト短調『クリスマス協奏曲』は聖夜に演奏する曲として作曲された15分弱の曲。知ってる部分もあるだろうから聴いてみてね。

 

 

さて、次はフランスの伝統的なクリスマスソングを聴こう。


Entre le boeuf et l'âne gris

Entre le boeuf et l'âne gris はフランスの最も古いクリスマスキャロルの1つ。

実はこの曲がクリスマス&年末年始の鑑賞のおすすめ第2弾としてご紹介したスイスのバッハ協会の演奏に含まれていて、それを聴いてこの記事を書こうと思った次第。

なぜなら、この曲は20年ぐらい前に買ったフランスの雑誌の付録CDに入っていた曲で、CDそのものに曲名は記載されておらず、雑誌は既に処分済みなので曲名が長らく分からなかったのだ。

しかし、スイスのバッハ協会の動画では何故かこの曲のときだけ曲名が表示されていない!!ヒドイ!

仕方ないので曲名と思われる部分の音声を何度も聞いてみたのだが、「オントレ・・・グリ」ぐらいしか聞き取れない。

こうなったら力業で解決するしかない。フランスの伝統的なクリスマス音楽をYouTubeで片っ端から聴いてみた。

良かった!あった!これよ、これ!

とても美しい短調のクリスマスの歌だと思う。

気に入ったら、こちらの歌詞付きの動画で歌の練習をしよう。歌詞の意味もイラストで伝えてくれる。


Entre le bœuf et l'âne gris

 

 

フランス音楽を続けよう。今度はクラシック音楽から。


Oratorio de Noël, Op. 12: Duet: Benedictus qui venit (Soprano, Bass)

サン=サーンス作曲のクリスマスオラトリオに短調の部分があるのだが、そこがこの曲全体の中でわたしのお気に入りの部分。第5楽章のソプラノとバスのデュオ。

気に入ってくれたら、これも歌ってみよう。シドニーの声楽アンサンブルが楽譜付きのカラオケ動画を提供している。(わたしはこの動画を発見して小躍りした!)


Saint-Saens - Oratorio de Noel - Benedictus - Duet

このデュオに続く合唱も短調でカッコイイので良かったら探してみてね。

 

 

次はアメリカで知った英語のクリスマスの歌から。イギリスの古いクリスマスキャロル。


God Rest Ye Merry Gentlemen - Clamavi De Profundis

アメリカではAway in a Manger や O Little Town of Bethlehem など、日本では知らなかったクリスマスの歌を知った。その中でも短調のGod Rest Ye Merry Gentlemen がわたしの一番のお気に入りだった。

これが好きだと言ってピアノで旋律を弾いてみると、日本人の友達が「それ、マライヤ・キャリーのCDに入っている」と言った。なので、日本ではマライヤ・キャリーのクリスマスCDの曲として知られているのだろう。

ところで、上の動画は少し不気味なのだが演奏レベルは高い。「一緒に歌うのが好きな家族」とチャンネルの紹介文にあるのだが、映像には歌う皆さんの顔が出ていないので謎めいたグループのように思ってしまう。

 

 

次はフィンランドを訪問しよう。


Tonttu

フィンランドのペンフレンドのところでホームステイしたときに買ったクリスマスCDで知った短調の曲。

調べてみたところ、曲名のTonttuは北欧神話に出てくる小人のことらしい。子供のように小さい姿で赤い帽子をかぶっている。フィンランド語で「トントゥ」、スウェーデン語で「トムテ」と言う。

トムテ - Wikipedia

この歌に関する詳細はあまり分からないのだが、スウェーデン語の詩をValter Juvaという作家が1906年にフィンランド語に翻訳したとのこと。

ウィキにフィンランド語の歌詞があるので気に入ったら見ながら歌ってみよう。

Tonttu – Wikiaineisto

 

 

最後にバッハの音楽を取り上げよう。


Bach - Cantata Nun komm, der Heiden Heiland BWV 61 - Van Veldhoven | Netherlands Bach Society

バッハのカンタータ BWV61 "Nun komm, der Heiden Heiland" はクリスマスに歌うのではなく、クリスマスの前の待降節に歌われるカンタータの1つ。

最初の合唱部分が短調。

Nun Komm, der Heiden Heiland (来たれ、異邦人の救い主)の部分の原作ラテン語テキストと旋律は4世紀のミラノ司教アンブロジウスが作ったと言われている。

それをドイツ語に翻訳してコラールとして作曲したのは16世紀のマルティン・ルター。

アンブロジウスの作曲については知らないが、少なくともルターが作曲した時点で既にこの部分は短調だったのだろう。

Nun Komm, der Heiden Heilandのは次のカンタータBWV62や、他のバッハ作品でも使われている。

ではBWV62も聴いてみよう。これもBWV61と同じくクリスマスを待つ待降節に歌う。


Johann Sebastian Bach. Nun komm, der Heiden Heiland, BWV 62

 

そして、待降節が終わりクリスマスの日が来ると、バッハのクリスマスオラトリオが演奏される。そこからわたしの大好きな短調の曲を聴こう。


John Eliot Gardiner – Bach: WO BWV 248, I. No. 4 Bereite Dich Zion mit zärtlichen Trieben (excerpt)

Bereite sich, Zion, mit zärtlichen Trieben はアルトが歌うアリア。素晴らしい救い主がもうすぐ産まれるから化粧をしてしっかり準備して待とう・・・みたいな内容であり、短調である必要はないのだろうけど、短調だからこそわたしはこの曲が好きで仕方ない。2016年のライプツィヒ旅では常にこの曲が頭の中で繰り返し流れていた。

 

 

あなたの好きな短調のクリスマス音楽について教えてください。

Copyright © Ongakuzukino Suzuki 2020. All rights reserved.