2020年~2021年クリスマス&年末年始に鑑賞したいクラシック音楽コンサート・オペラ動画(音楽好きのスズキ選)その3

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シリーズ第3弾!

ご紹介するコンサートの選択方針

  1. BGMとしてのクラシック音楽ではありません
    クラシック音楽ファンにとって、クラシック音楽はBGMではありません!そのような音楽をお求めでしたら、別のサイトを参考にしよう!
  2. 目を閉じて音質を味わう鑑賞ではありません
    ここで紹介する動画はばっちり目を見開いて鑑賞しましょう!目を閉じて楽しむ音楽については、オーディオ好きのクラシック音楽ファンにおすすめを訊ねてみるといいでしょう!
  3. 第三者が勝手に投稿した動画ではありません
    正当な権利を持つ投稿者が投稿した動画を取り上げます!演奏者が納得して撮影されて、世界に共有されている音楽を聴きましょう!

クリスマスや年末年始に相応しい定番曲を並べるページではありません。元コンサート常連客だったスズキが自分の好みと独断で選んだ動画をオススメするページです。

 

♪  米国の古楽祭のために英国からタリス・スコラーズが届けたルネサンス歌曲(12月31日まで公開)

55分


The Tallis Scholars, presented by the Boston Early Music Festival

イギリスの声楽アンサンブル、タリス・スコラーズは、アメリカのボストン古楽音楽祭の常連だったのだが、今年はコロナのせいでボストンで歌うことができない。その代わりとしてのオンライン配信だ。

あと数日のみの公開だが、この驚きのクォリティーの演奏をぜひ聴いていただきたい。

曲はパレストリーナやゲレーロなどルネサンスの作曲家の歌が中心。

クリスマスと言えばバロック音楽だと思っていたのだが、ルネサンス音楽の崇高な美しさにクラクラしてしまった。ルネサンス音楽に詳しい人には「何をいまさら」と言われそうだが・・・

 

♪  英国ウィグモアホール1 Stile Antico スペインのルネサンス音楽をアカペラで

1時間10分


Stile Antico - Live from Wigmore Hall

ほんの数日前までお客さんを迎えて演奏していたウィグモアホールも、イギリスの3度目のロックダウンのため無観客演奏となった。ライブオーディエンスに聴いてもらう前提で練習していただろうに。。。

空っぽのホールに黒服で歌手たちが登場する。

演奏曲は作曲家フランシスコ・ゲレーロなど、スペイン黄金期のルネサンス音楽。

今後の課題としてルネサンス音楽を学びたい。文化の中心の1つはスペインだったのか・・・ フランドル(オランダ南部)あたりがルネサンス音楽の中心という認識だったのだが、どうもわたしの知識が足りないらしい。

このスペイン音楽にラテン的なノリを感じてしまうのは、わたしの頭がステレオタイプにとらわれているせいなのだろうか?

演奏団体はイギリスの声楽グループStile Antico。

以前、弦楽四重奏団について「日本では極端に少ないがヨーロッパには沢山ある」と苦言したのを覚えているだろうか?

同様に声楽アンサンブルもヨーロッパには無数のプロ声楽家グループが存在する。アカペラで歌ったり、器楽奏者たちと一緒に演奏する。ルネサンスやバロックをはじめ、広く現代曲まで対応できるグループもある。

 

♪ 英国ウィグモアホール2 The Cardinall's Musick ルネサンス~バロック音楽をアカペラで

 1時間30分


The Cardinall's Musick - Live from Wigmore Hall

いえいえ、Musickはスペルミスではない。

古い綴りではこう書く。確かシェイクスピアの戯曲でもこのスペルだったはず。この前調べたパーセル作曲 Music for a While の music も調べた戯曲の原文ではmusickだったと思う。 

演奏曲は パレストリーナ、ハインリヒ・シュッツ、プレトリウス。

おもしろい(しかも超絶美しい!)と思ったのは、プレトリウスのMagnificat quinti toni で、何でも指揮者の解説によると、16世紀のドイツではマグニフィカトの途中に伝統的なキャロルを差し込んで演奏していたそうで、今回はそれに倣って演奏した。先に伝統的なキャロルをバッハなどのアレンジで聴いてから、キャロルを挿入したマグニフィカトを演奏。

 

ところで、2~3週間前までTenebraeもウィグモアホールで演奏予定だったはずなのだが、気が付いたら消えていた。楽しみにしていたのにな。以前、記事を書いたのだが(非公開化済み)、もしTenebraeの伝説的な動画をまだ知らないならぜひご覧いただきたい。クラシック音楽では再生数が数万回でも十分ヒットなのだが、この動画は1,000万超。

5分


Miserere mei, Deus - Allegri - Tenebrae conducted by Nigel Short

イギリスの声楽アンサンブルは凄すぎる。

追記12月25日Tenebraeのコンサート出た!!


Tenebrae - Christmas concert at Wigmore Hall

あれれ?見覚えのある顔が2つ・・・と思ったら、The King's Singersから2名が参加していた。あのオルリンスキとの動画 Music for a Whileですっかり顔を覚えてしまった。

調べてみるとTenebraeを率いるナイジェル・ショートも元The King's Singersのメンバーで、カウンターテノールとして歌っていたということが分かった。

このクリスマスシーズン、改めて思ったのはアカペラ大国のイギリスの凄すぎる声楽アンサンブル団体の数とその極めて高いレベル。少年聖歌隊に始まり、カレッジでの合唱活動、各声楽団体での活動という伝統的な流れがある。さらに自ら団体を創設したり指導者として活躍したり。

子供時代から伝統的な教会音楽やバッハ、パーセル、ヴォーン・ウィリアムズ、ブリテン、プーランク・・・などを歌ってきたわけだ。

それと比べると童謡、小学唱歌、テレビのアニメ曲やポップスなどを歌ってきた日本の子供たちはかわいそうだ。次元が違い過ぎる。日本の音楽環境だと感性も表現力も育たないだろう・・・(ごめん、言い過ぎだよね。)

追記 終わり

 

今年の年始めはこのウィグモアホールに連日通った。年末にこのような状況になっているなど思いもせず。世界一の小ホールと言っても過言ではない。年中、毎日このようなトップレベルの演奏が聴ける世界唯一のホールである。

先日、内田光子さんのピアノリサイタルもあった。まだ観ていないならぜひYouTubeでどうぞ。オールシューベルトだ。でも、わたしが宣伝しなくても日本から多くの人がアクセスしているだろう。わたしもそろそろ観よう。

しつこいようだがファトマ・サイード(ソプラノ歌手、ブログ過去記事参照)のリサイタルもオススメ。

この秋から冬にかけて展開したウィグモアホールのコンサート動画は基本的に30日間の限定公開。

 

♪ バッハのロ短調ミサ曲 ヘンゲルブロック指揮 ハンブルクのエルプフィルハーモニーでの演奏 

1時間50分 


Elbphilharmonie LIVE | Bach h-Moll-Messe | Thomas Hengelbrock & Balthasar-Neumann-Chor und -Ensemble

コンマスはケラスさんやタベア・ツィンマーマンとの室内楽でもお馴染みのダニエル・ゼペック。

指揮者のトーマス・ヘンゲルブロックはわたしの印象では「熱い男」。というのも、以前メンデルスゾーンの「最初のヴァルプルギルスの夜」について調べていたときに観た動画の熱烈ぶりが記憶に残っているため。その動画は既に見当たらないのだが、このバッハのミサ曲でもやはり熱い。

オーケストラと合唱団はヘンゲルブロックが設立したバルタザール=ノイマンが担当。

カウンターテノール2人がアルトのソロをしっとり歌っていた。

 

♪ ロシアのマリインスキー劇場で演奏されたウィーンのニューイヤーコンサート風のクリスマス演奏会

2時間20分(途中20分間休憩で宣伝動画が流れる)


LIVE: Vienna Ball with the Stradivarius Ensemble / Венский бал со Страдивари-ансамблем

真面目な音楽ばかりで疲れてしまったなら、気軽にこのコンサートを楽しもう。シャンパンやワインでも用意して。

ウィーンフィルのニューイヤーコンサートは有名だが、同じようなコンサートが世界各地で開催されている。わたしが今年1月1日にロンドンのバービカンホールで鑑賞したのもロンドン版のニューイヤーコンサートだった。

そんなウィーンの舞踏会やオペレッタを取り込んだ演奏会が既に今月ロシアで行われた。場所はバレエやオペラで有名なマリインスキー劇場の施設内のコンサートホール。コロナはどこへやら?!例年通りの楽しいコンサートという雰囲気の舞台だった。

客席だけは全員マスク姿で人数制限あり。

 

 

♪ スズキの今後のオンライン鑑賞予定

無料の音楽ばかり紹介してきたが、わたしはこれから有料の音楽を楽しもう。

有料会員として鑑賞しているベルリンフィルのデジタルコンサートホールも、まだペトレンコ指揮ショスタコーヴィチ交響曲第8番までしか聴いていない。

12月24日の夜はサントリーホールのバッハ・コレギウム・ジャパンの「メサイア」オンライン鑑賞チケットを買ったので自宅から鑑賞予定。

 

それから、昨日はイギリスのこの短い動画↓に激惚れして速攻、有料オンデマンドを購入して鑑賞した。ウェストミンスター寺院の合唱団の演奏。少年合唱団がメインで、大人の男性たちが加わって歌っている。

5分


Live From London Christmas Highlights - The Choir of Westminster Abbey

 

この音楽のクォリティ、この残響、この雰囲気・・・ 絶対に日本では無理なんだ。

このLive From London Christmasというプロジェクトを展開しているのは声楽アンサンブルVOCES8(ヴォーチェスエイト)の財団。イギリスを代表する素晴らしい複数の声楽グループがプロジェクトに参加している。

voces8.foundation

オンライン鑑賞の購入はチケットぴあでも可能らしいが、何やら面倒そうなので財団のサイトで直接買うほうが簡単だと思う。日本のサイトと違い、スムーズで使いやすい。

せっかく登録したのでシリーズの別のコンサートも鑑賞しよう。この記事の最初の動画で紹介したタリス・スコラーズのコンサートもある。

各コンサートは1650円で演奏は60分。セットならもっと安い。

購入したウェストミンスター寺院の映像は1時間30分で、最初の30分はインタビューなどのドキュメンタリー、残り60分が演奏だった。

1月15日までオンデマンドで何度も鑑賞できる。

あのVOCES8が、実はかなり凄腕のエンタメビジネス集団であるということが驚きだ。財団を通してこんな魅力的で大規模なプロジェクトを展開していたとは!

クラシック音楽といえば、やはりヨーロッパだと改めて思う。必要なものが揃っている。演奏家は豊富にいる。演奏のクォリティが高い。

場所の魅力(ウェストミンスター寺院は特別に凄過ぎるのだが)も、日本はヨーロッパには敵わない。

それから、世界に向けてオンライン展開をするための映像を撮る撮影のプロ、音声音響のプロ、編集のプロ、サイトデザインのプロ、宣伝コミュニケーションのプロなど、あらゆるプロ人材がヨーロッパにはいる。そのような人材は日本のクラシック音楽界には・・・

 

 

 

おっと、余計なことに触れてしまった。

これにて2020年~2021年のクリスマス&年末年始、コロナ禍におけるオンライン音楽鑑賞のオススメ動画のご紹介を終了する。

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