旅する音楽好きのスズキ 2020年1月 ロンドン クラシック音楽旅のメモ(旅のミニ動画付き)

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クラシック音楽ファンの旅先として、イギリスはそれほどメジャーではない・・・とスズキは思っている。

我々には、どうしても作曲家信仰というのがある。愛する作曲家が生まれ育った場所や活動した場所で、その作曲家による作品を聴きたい。人物や作品の理解を深めたい。

だから、あまりイギリスは旅先の候補として挙がらない。ゴメン! ダウランド、パーセル、エルガー、ブリテンなど英国作曲家のファンが聞いたら怒るだろうなぁ。。。

それに、どうしてもスズキは大陸ヨーロッパの演奏家に注目する傾向が強い。そのような演奏家たちはイギリスでも演奏しているのだが、それだけではイギリスを旅先候補に入れる理由としては少々弱い。

では、なぜ今回の旅先としてスズキはロンドンを選んだのか。

悲しいことにアホ国家ジパングの某法改正のせいで、わたしは、以前と比べると極端に有給休暇日数が少ない状態が、半永久的に続くことになってしまったのだ。オリンピック時の日本脱出のために有休を取っておくため、今回は主にオフィス閉鎖による年末年始の強制無給休暇を利用して旅するしかなかった。

ロンドンは人口が多い経済都市である。つまり、年間を通して音楽公演数が多い。それだけでなく、世界中どこでも年末年始はお祭り的なイベントやファミリー向けのコンサートばかり(←興味なし)なのに、新年早々、室内楽ホールとして名高いロンドンのウィグモアホールでは、本格的かつ意欲的なプログラムが連日演奏される。

(気になる今回の旅で鑑賞した作品一覧は、ページ下のリンク先にある。)

こんなプログラムを毎日楽しめるのなら、はるばる日本から飛んで行って鑑賞する価値があるとスズキは思った。作品を調べて予習する甲斐があると感じた。ああ、ロンドン、年始早々ステキなプログラムを用意してくれて、ありがとう!

ところが調子に乗ったスズキは、旅程に各種公演を沢山入れすぎた。旅行前は予習で疲労困憊、滞在中は何とか鑑賞予定をこなすだけで疲労困憊、帰国後はニホンが嫌いで疲労困憊(?)という悲惨な結果となってしまった。

繰り返しになるが、旅の詳細はブログには書かない。有料の電子本として本当に読みたい人々にだけ公開する。以下は旅のメモとして広く皆さんと共有させていただきたい部分について書いたもの。

 

あれれ!?コートと荷物を持ったまま?!

「ヨオロッパではぁ、テロ対策とかもあるしぃ、コートとか買い物袋とかホールに持ち込めないのよぉ。それに、ダサイでしょ。そんなの持って着席するなんて。」と、スズキブログに書いてあったよね?

スズキはロンドンでも、ヨーロッパに馴染んでる人のフリして、颯爽とクロークに向かい、いつも持ち歩いているエコバッグとコートを預けて、席に向かった。よし、スマートでカッコイイぞ、自分!

ところが、あれれ??

みんなモッサリした冬コートや紙のショッピングバッグなどを手に持ったまま、あの狭い座席に向かっているではないか!?まるで日本のコンサートホールのような光景!?

「ヨーロッパ」と一括りにしてはいけない。そう思ったのだった。

 

スズキの新ヒーロー、リチャードさん

イギリス薔薇戦争末期の人物、グロスター公リチャード・プランタジネット。劇中のリチャードは実在した本物のリチャードとは違うのだろうけど、演劇界では、最も魅力的な悪党と言われている。身近な人間を次々に殺害して王座を獲った。激しくウソ泣きしながら迫真の演技で女を口説いたり、本当は極悪人のくせに高潔な宗教者を演じてみたり。おもしろい。ああ、わたしもリチャードみたいな魅力的な悪党になりたい(笑?)

オペラ好きで語学好きの皆さんに、ロンドンに行ったらぜひ体験していただきたい舞台がある。グローブ座シェークスピア作品を鑑賞したことは、間違いなくわたしの今回の旅の一番の収穫だ。ああ、音楽旅なのに、お芝居の感動が音楽の感動を上回ってしまったとは!!

演出(読み替えもあり)に興味あるオペラファンも楽しめるはず。

クラシック音楽は素晴らしい!

なぜなら、こうしてクラシック音楽を追いかけていると、音楽以外の何かと出会うきっかけを与えてくれるから!

www.shakespearesglobe.com

日常的に仕事で英語に触れているわたしにとって、シェークスピア時代の英語(初期近代英語)は新鮮だった。こんな英語を使ってみたいのに、使う機会がない・・・

偶然出会ったリチャードという悪キャラが、偶然わたしの好みに合う(笑)他のキャラもおもしろい。呪いの達人マーガレット!あんなにリチャードを憎んでいたのに、コロっと口説き落とされるアン!お笑いコントのような、兄クラレンスと2名の殺人者のやりとり!

作品の内容だけではない。想像を超えた(?)極小劇場(グローブ座のサムワナメーカー劇場という室内プレイハウス)の簡易ベンチみたいな席で、至近距離で観る迫力の演技に興奮しまくり。

バッチリ予習していったから、まったくストレス無くストーリーを追うことができ、演出や演技をフルに体験できた。なんという達成感!

 

こちらの動画は、ロンドンのグローブ座ではなく、ストラッドフォード・アポン・エイヴォンのロイヤル・シェークスピア・カンパニーの「リチャード三世」。

作品の冒頭の有名なセリフなのだが、このワル男リチャードの魅力、伝わるかな? 世の中にうんざりしている感じが、誰かさんとソックリで・・・ Now is the winter of our discountent....     I am deteminated to prove a villain... ふふふ。


Richard III stage footage | Act 1, Scene 1 | 2012 | Royal Shakespeare Company

 

鑑賞の際はみっちり準備しよう!

セリフを覚えてしまおう!

楽しいぞぉ!

たとえば「リチャード三世」ならこんな感じでどうぞ。

  1. 日本語訳を読む
  2. 日本語訳と英語原文を照らし合わせて読む。気になる英単語を調べる。
  3. 英語原書を見ながらオーディオブックを聴く。
  4. 通勤・通学・家事のときに数回オーディオブックを聴く。
  5. 仕上げとして、ロンドン行きの飛行機内で、英語原書を見ながらオーディオブックを聴く

日本語訳(表紙クリック→Amazon)

訳者による訳注が英語原書を理解するときの参考になる。視点がおもしろい。20年前に蜷川さん演出の舞台で使われた台本だそうだ。 

 

原書(表紙クリック→Amazon)

英語原書の「リチャード三世」は著作権が切れているので激安で入手できる。わたしがダウンロードしたこちら↑(電子本)は、0円なり。

 

オーディオブック

YouTubeにもボランティアが録音した全編オーディオブックがある。もちろん無料。こちら↓はわたしが購入したオーディオブック全編(3時間半)。お世話になりました。とても良かった。これで勉強したお陰で鑑賞をフルに楽しめた。

King Richard the Third (Unabridged)

King Richard the Third (Unabridged)

  • William Shakespeare
  • 戯曲/詩歌
  • ¥1782

 

それから、リチャード三世の後にこちら ↓ の本を読むと、今までよくわかっていなかったイギリス王家の流れが一気にクリアに見えてきた。大陸ヨーロッパばかり追いかけていたわたしは、ようやくイギリスの歴史に興味を持ち、面白いと思えるようになった。知らなかった世界を切り開いたのだ。

さらに予習(表紙クリック→Amazon)

ちょうどリチャード三世のところから始まるこちらの本、皮肉とユーモアを感じる文章が好き。ぷぷぷ。真四角の棺とか。。。 簡潔な書きぶりだが濃い内容で読み応えあり。

 

キリ・テ・カナワさん事件?

スズキはウィグモアホールの最前列に座っていた。開演までまだまだ時間がある。舞台と最前列の間の通路を数人の客が歩いた。

しばらくすると、スズキの右のオバサマと左のオバサマ(知り合い同士らしい)が、スズキを挟んでお喋りを始めた。

ん? スズキにも何か言ってる?

オバサマ「ねえ、さっき、ここを通った人を見た?キリ・テ・カナワよ。」

スズキ 「ほえぇぇぇぇ!?!?!? 見てないわよ!!」

オバサマ「あらまあ。アナタ、見逃したのね。ここでは常に目を見開いてないとダメよ」

スズキ 「はーい」

キリ・テ・カナワ - Wikipedia

キリ・テ・カナワは、ニュージーランド出身のオペラ歌手である。現在は既にオペラ歌手からは引退している。オバサマが言うには、カナワさんはウィグモアホール主催の声楽コンクールの審査員だったそうで、この日の公演で歌うニュージーランド出身の男性歌手は、そのコンクールの優勝者の一人とのこと。そんな関係で彼女が聴きに来たのでは、とオバサマの推測。 

残念ながらわたしの周辺にキリ・テ・カナワという名前を知っている人間は(たぶん)いないので、この話を報告してもしょうがない。まあ、自分が気が付かないうちに急接近していたというだけの話なのだが。

ロンドンのホールでは、そういう大物スターが隣に座っている可能性もあるのだろうなと思った次第。(それなのに、自分が気付かない可能性が高いのだろうなぁ・・・)

ちなみに、この公演ではニュージーランド出身の作曲家によるユニークな歌曲のイギリス初演が行われた。

歌の中で、ニュージーランドを代表する鳥たちが何やら語っている。聴いてみませんか?面白かったよ。一部早口すぎて聞き取れないけどね。歌もいいけど、ピアノもいいでしょ?

誇らしげに登場する鳥さんたちは以下の通り:

  • Dotterel 「(ニュージーランド)チドリ」
  • Takahe 「タカヘ」飛べない鳥。絶滅したと思われていたのに、生き残っていた!
    "I 'm takahe. I eat all day."(歌詞より) 笑 ほんとうかい?
  • Huia 「ホオダレムクドリ」絶滅してしまった(涙) 
  • Kiwi 「キーウィ」ニュージーランドといえば!有名な国鳥。飛べない。 (*動画には含まれていない)
  • Tui 「エリマキミツスイ」

歌手による解説付きの動画


GARETH FARR: Ornithological Anecdotes

 

 

旅のミニ動画を作った

オフィスワーカーにとってはお馴染みのプレゼンテーション資料作成ツール、MSパワーポイント(通称「パワポ」あるいは "ppt")でミニ動画(1分半)を作成したので、ぜひご覧いただきたい。

会社ではpptを紙資料として使うことが多いので、アニメーション機能などは滅多に使わない。でも、アニメーション(写真に動きを加える)を追加して、保存形式mp4など動画形式で出力すれば、YouTubeにも載せられる動画ができる。

凝ったカッコイイ動画を作る気力はない。でも、自動生成された動画では物足りない、という場合は ppt が役に立つ。どうやらわたしが作りたい動画は、pptの機能だけで十分らしい。まだ手探りだが、慣れれば短時間でストレスなく簡単に動画を作れそうだ。

今回作成した動画の特徴は何といっても、BGMとして流れるスズキ自身によるダサいピアノ演奏でしょう(笑)

正しい美しい演奏以外は耳が腐るから聞きたくないという人は、最初から最後までミュート(消音)で再生してね。

演奏はヒドイけど選曲がイイねとか、ド下手なりに味があってイイわよとか、そう思ってもらえると嬉しいのだけど。

音声だけを録音する装置など持っていないと思っていたが、あるではないか!スマホの「ボイスメモ」が! そんなわけで、ボイスメモで録音したピアノ演奏を ppt に挿入してみた。 これで十分だ。


Classical Music & Travel - London 2020

2012年パリ音楽旅の動画も作成済みなので、興味あれば探してみてね。 

 

今回の旅で鑑賞した作品一覧はプチリニューアルしたスズキの英語サイトに掲載済み。

www.clmusictr.com

スズキはこれから

  • 今回のロンドン旅の本の執筆
  • スズキブログの記事の整理・改善
  • 過去旅の動画作成

などで忙しいので、しばらく新着記事の投稿はありません。

では、またね。

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